連歌イェイ主催 第1回立ち寄り連歌会を開催しました

平成28年12月16日(金)、山口大学人文学部棟1階ラウンジにて、学生連歌会『連歌イェイ』主催の立ち寄り連歌会を開催しました。主催者のひとり、尾崎ゼミ3年の三浦明子さんにリポートしていただきます。

 

『連歌イェイ』は、「座の文芸」と呼ばれる連歌を通じて、自分を表現する面白さや、人と繋がる楽しさを知ってもらうことを目的に発足した、学生主体の連歌グループです。
山口大学の学部生、院生を中心に、現在22名が在籍しています。普段は無料コミュニケーションアプリ「LINE」を利用して、句を付けたり、ルールを勉強したりしています。

自分の詠んだ句に、思いもよらない句が付いて展開していく――そんな連歌の魅力を、より多くの方に知っていただきたいとの思いから、今回、立ち寄り形式の連歌会を企画しました。

学部や所属、連歌経験の有無を問わず、どなたでも、ふらりと立ち寄って、句をひねっていただく。
さらに、詠まれた句はご自身で「短冊」に書き、思い思いにデコレーションしていただく。
そういった試みのイベントです。

当日はみぞれ混じりの雪という悪天候でしたが、最終的に30名近い方々がご参加くださいました。
5時間半に及んだ開催時間中、詠み手は途絶えることがなく、時には真剣に、時にはおしゃべりに花を咲かせながら、和やかな雰囲気で進んでいきました。

1句に対して、同時に8句もの付句が提出された場面もあり、投票によって採用句が決まるという、熱い闘いも繰り広げられました。
また、複数の人がアイデアを出し合って「合作」という形で1句にするという、イベントならではの光景も見られました。

消しゴムはんこ作家としても活動するメンバーの協力を得て、消しゴムはんこを押したり(中には、消しゴムはんこを「彫る」ところから挑戦する方もいたり)、
絵を描くなどして、各々の短冊を自由に飾りました。

当初の予想を上回る盛況ぶりで、終了1時間前には、あらかじめLINEで詠まれていた27句と、今回のイベントで詠まれた9句を合わせた計36句で、歌仙連歌が完成しました。
そのため、以降の時間は新たに発句から始め、時間の許す限り続けました。結果として、こちらは全6句の連歌となりました。

これらの句のすべてのデコ短冊は、順に並べて1冊の冊子にまとめ、視覚的にも楽しい“カタチあるもの”として残すことができました。
平成29年1月には、会の様子と合わせて、人文学部棟1階ラウンジにて写真展示を行う予定にしています。

今回のイベントでは、これまで面識のなかった人同士が連歌を通して交流を深め、仲良くなれたことが、何よりも嬉しいことでした。

初めて挑戦する人にも楽しんでもらえるよう、ごく基本的なルールのみで行った今回の試みでしたが、将来的には、より連歌というものの本質に迫った表現を目指して、
皆で勉強していきたいと思っています。