異文化交流研究施設

異文化交流研究施設は、平成9年(1997年)に人文学部内組織として創設されました。異文化交流の実施と異文化の研究という二つの目的を掲げ、交流部門と研究部門を置き、異文化間交流の実施・奨励、調査研究、刊行物の発行、講演会の開催などを行っています。

その成果は、『異文化交流研究施設ニューズレター』(1999年4月創刊)や『異文化研究』(2007年3月創刊)の定期刊行物に報告しています。このほかにも、たとえば平成10年(1998年)に若手教員を中心に組織した研究プロジェクト「21世紀後半を読む」におけるシンポジウム報告書『21世紀後半の世界の言語はどうなるのか』(2005年9月刊)などの書籍にまとめて公表しています。

この施設は学部内に設けられた小さな組織ではありますが、山口大学も日本という国境も、さらにはさまざまな文化や時代の違いをも超えて、多種多様な人びと・文化・学問領域との交わりを通じて、より豊かな世界の創造に貢献したいと考えています。

研究部門

異文化交流研究施設の研究部門は、異文化研究を中心とした人文学部教員の研究活動の活性化を目的として、現在主として二つの活動を行なっています。

一つは、雑誌『異文化研究』の発行です。2007年の創刊号から2009年の第3号までは、毎号特集を組み、学内、学外の多様な執筆者による論文、エッセイ、講演録等を掲載しました。
各号の特集は、

  • 第1号 異文化研究の可能性を求めて
  • 第2号 特集I 翻訳学の試み
  • 特集II 翻訳の多元性
  • 第3号 日本・台湾・韓国の文化交流促進と平和創造の方途を探る

となっています。第4号は、人文学部の研究活動報告を中心とするという編集方針に基づいて発行されました。第5号以降も同様の予定です。

二つ目は、『山口大学人文学部 異文化交流研究施設ニューズレター』の発行です。内容は『異文化研究』の御案内、海外講演や海外研修の報告、留学生の声、人文学部のスタッフの紹介、交流部門での異文化講演会の報告などです。

交流部門

異文化交流研究施設の講演会シリーズも、回を重ねて30回を越えました。講演会活動(事業)は異文化研究と並んで本施設の重要な柱です。様々な研究者を山口大学にお招きして、研究と異文化体験の二つの切り口から、学内外の聴衆との学際的・国際的な交流に少なからず貢献してきました。特に市民の皆さんにとってこの講演会は、研究や異文化を「ライブ」に経験出来る機会であり、人文学部の重要な「顔」の一つです。

一度だけの体験ではありますが、異なる文化の香りや雰囲気は、その場に集まった学生、市民、教職員の記憶のなかにしっかりと根を下ろします。そしてここからに新たな思考や閃きが起こり、学びや思索が確実に拡がっていきます。

人文学部の教員が、日頃交流している研究仲間や世界の中で出会う研究者に声をかけ、講演を依頼することが、この催しの出発点です。毎日の授業で学び教える内容からやや離れたテーマが設定されることが多く、それだけに新鮮で刺激的な知的体験が出来る機会となっています。

なお、講演の内容は、本施設が編集する年報『異文化研究』にも、報告記事あるいは論文の形で掲載されています。

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