宗教学実習:「豊田のホタル祭り」(下関市)

今回の実習の行き先は、下関市のホタル祭りでした。ホタルは山口駅近くの一の坂川で一度見たことがあるので、下関ではどのように見えるのか楽しみでした。

まず初めに「豊田ホタルの里ミュージアム」に行きました。そこでは、ホタルに関することが、模型や映像などで分かりやすく紹介されおり、子どもから大人まで楽しめるように工夫されていました。

ホタルの光で本が読めるかどうかを体験できるコーナーがありました。体験前はホタルの光にすごく明るいというイメージがなかったので、絶対に読めないと思っていました。しかし、ホタルの光は意外と広範囲を明るく照らし、問題なく文字を読むことができました。ホタルの光で勉強をした人の話を聞いたことがあります。今までは、勉強なんて出来るわけがないと思っていたのですが、体験してみると意外と出来るかもと思いました。

三択クイズに答えていくスタンプラリーがありました。答えは必ず館内のどこかに書いてあり、多くの子ども達が挑戦していました。私も尾崎さんと船倉さんと挑戦してみたのですが、意外とクイズが難しく自分の知識で答えることのできるものはありませんでした。問題を見て答えを探してということを繰り返していたので、かなり時間がかかりました。スタンプラリーの賞品は5種類ほどあり、そのほとんどがイラストカードなど自分の手で作って完成させるものでした。何かを作るということは小学生以来ほとんどしていないので、とても新鮮でした。

ミュージアムを出た後、空が暗くなるまで屋台の中をぶらつきました。浴衣を着ている子どもがたくさんいました。その中にフリルのついた浴衣を着た子がいました。私が小さいときはそのような浴衣はありませんでした。私の知っている浴衣は紺や青などの暗い色の中に金魚や花が描かれている奥ゆかしいものですが、最近は特定の絵が描かれていないカラフルで可愛い浴衣が多い気がします。

夜8時ぐらいにバスに乗ってホタルを見に行きました。外灯などのない真っ暗な中でホタルを見るのは今回が初めてでした。暗闇にたくさんのホタルの光が浮かび幻想的でした。すごく明るいわけではないのですが、はっきりとその存在がわかりました。写真に収めることは出来ませんでしたが、ホタルの光は花火とは違って写真に撮った後でも楽しめるものではなく、その場でしか味わえないものなのかなと思いました。<文:宗教学研究室3年次:小野寺沙紀>

6月11日、下関市豊田町で開催されたホタル祭りに行ってきた。ホタル祭りの開催地周辺には「ホタルの里ミュージアム」という施設があり、そこではホタルの生態や豊田市の虫・地質などについて学ぶことができる。ホタルの里ミュージアムの常設展示の中で最も目を引くのは、人間大のサイズで作られたホタルなどの虫とその周りの自然の風景である。模型のコーナーは広く確保されており、ホタルの視点で自然の様子を感じることができ、私たちが何気なく見ている魚やクモ、アリなどがホタルにとってはかなりの脅威になり得るのだと実感することができた。

入場券の裏に記載されているクイズラリーに取り組む過程で、他の常設展示もすべて見て回ったが、とても興味深いものが多かった。例えば、発光するミミズがいることやホタルは種類によって光り方が違うことなどは、ミュージアムの展示を通して新たに得た知識である。私の知らないことはまだまだ多く、それらの多くは知ろうとしなければ得られないものなのだと痛感した。

ホタル祭りでは、様々な屋台やステージでのイベントが開催されていた。「ホタルおみくじ」の看板を度々目にしたが、どういうものなのだろうかと疑問に思った。結局、ホタルおみくじはひかなかったが、今になって思うとひいてみればよかったかと少し後悔するところである。

日が暮れるとバスに乗り、ホタルがよく見えるという場所へ行った。残念ながら写真に収めることはかなわなかったが、その場所では川辺を飛ぶ多くのホタルを見ることができた。ホタルの光はやはり綺麗だと感じた。真っ暗な中、小さな光が浮かびあがって飛んでいる様子はある種幻想的で、その光が生物であるというのがまた面白いところである。小さな虫であるホタルが光を放つ様子に、人々は「命の輝き」といったようなものを見出すのではないかと思う。

帰り道には、祭りの締めである打ち上げ花火が上がっていた。祭りの締めと言えば花火であるというのは定番のようになっているが、それはどうしてだろうかと疑問に思う。屋台よりも遥かに非現実的である花火が夜空に上がっては消えていく様子に、非日常である祭りの終わりを重ねて見るのだろうか。そうだとしたら、祭りの締めの定番は花火というのも、日常に帰るためのある種の儀式的な意味合いを含むのかもしれないと感じる。<文:哲学・思想コース2年次・船倉榛名>