哲学・思想コースの日々を振り返って

更新長らくお待たせしてすみません。
美学研究室所属の大学院生の中山です。
さて、私は山口大学の人文学部生としての4年間に加え、大学院人文科学研究科での2年間、合計6年の間、学生をしていたことになり、そのうち学部2年生から5年間を哲学・思想コースに所属していました。
この間、新カリキュラムの導入や図書館や学部棟の改修工事など、山口大学や人文学部全体の大きな変化があっただけでなく、自分自身の研究環境など、大小さまざまな変化が次々にやってくる有様でした。
しかし哲学・思想コースに関して言えば、そもそも独特なキャラクターを持つ教員の元にこれまた強烈な個性を放つ学生が入れ代わり立ち代わり入ってくるというコースであるので、それら周辺事情の変化とは関係なしに5年間止まることなく回転し続ける渦のようでした。
常に回転し続けるためには非常に大きなエネルギーが必要となりますが、私がこれまでに関わらせていただいたコース内の方々は、いずれも人並み外れたエネルギーの持ち主でした。さらに言えばそのうちの誰についてもエネルギーのベクトル(向き)が他人と一致することなく独自の方向へと伸びており、まさに人間の思考の幅広さや奥深さを探求する「哲学」コースに所属するにふさわしい人々であったように思われます。

福岡での研修会の様子

ベクトルがバラバラであるが故に、基本的に静かで緩やかな人間関係が構築されていったコースですが、イベントなど執り行おうとなれば全員のエネルギーが集約され驚異的なポテンシャルを発揮するのも本コースの特色であり、本年(平成26年度)に行われたイベントとしても運動会、料理会、演奏会、などなど常になにかしら巻き起こっている状態でありました 。

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演奏会の様子[/caption]

さらに、美学・美術史研究室としては、11月にゼミ生の大多数および教員、総計24名による卒業論文中間発表合宿という大規模なイベントを実行することができました。実はこの企画、言いだしっぺは私だったのですが、周囲の皆様からの熱望とフォローを受けて、実現までこぎつけることができましたこの合宿企画が特に象徴的なのですが、本コースでは誰かがほとんど思いつきで言ったことが周囲に影響を及ぼし大きな形となって実行される、ということが多くあったように思われます。その場に企画力や発想力のある学生が揃っていただけでなく、お忙しい中いつも優しく相談に乗って的確な助言をくださる先生方や、先輩方の残してくださった自由な雰囲気があったからこそ、これだけの活動を行うことができたのでしょう。

中間発表会の様子

そうして自由な学生生活を満喫しきった私も明日からは新社会人ですので、社会の荒波を前にして戦々恐々としておりますが、このブログをご覧になっている在学生の皆様、またコースへの入学を希望しておられる方々も新年度への期待と不安が入り混じっているところなのではないかと思います。なので、皆様への(そして自分自身への)エールとして、次の言葉を送らせていただければと思います。
渦の中に飛び込み(もしくは突き落とされたとしても)、ただ巻き込まれているだけではなく、むしろ自分から新しい流れを起こしてより大きな渦を作り出すこと。
これこそが私が大学生活で学んだ、哲学・思想コースに所属していたことで経験させてもらえた一番大切なことであったように思います。
読者の皆様が哲学・思想コースで新たな渦を起こすこと、そしてまた社会に飛び出した時に、より大きな新しい流れを作り出してくださることを期待しています。

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修了式にて[/caption]