錦帯橋祭り(宗教学実習、2016年4月29日)

私はほとんど外に出かけないし、用事で外出するときも常に音楽を聞きながら移動しているので、今回の実習は新鮮で、いつもとは違う軽い良い気持ちになりました。錦川は、昨日の大雨にも関わらず澄んでいて綺麗でした。錦帯橋から見る川と、遊覧船に乗って間近に見る川とでは雰囲気が違うように思いました。橋の上から見る川を見ていると、“川”ということが強調されて引き込まれるような感覚になったのですが、遊覧船に乗っていると、あまり川と自分との隔たりがなく溶け込むような感じがしました。

遊覧船の係りの人が「遊覧船に乗った後は、疲れがとれているはずだから『お疲れさまでした』とは言わない。」と話していました。確かに、かなりリラックスできたと思います。川のにおいや手を伸ばせば届く位置に水があるなど様々な理由があると思いますが、一番の理由は、人が少ないということではないかと思いました。自然は人の気持ちを安らげるとよく聞きますが、どんなに自然に囲まれていても人の多い場所だと、身体的にも精神的にもあまりゆったりできません。神社や寺でも、人の少ない朝に行く方がよりパワーをもらえると聞いたことがあります。人から発せられる目に見えないかなり多くの“気”が自然や周りの人に様々な影響を与えているから、そういわれているのかなと思います。祭りという人の多い、ストレスの溜まる場所では、特にそうした静かな瞬間が必要なのではないかと思いました。

川はずっと動き続けるものなので、それを見ていると時の流れを感じることができ、その中でぼーっとするのはなかなか良いものでした。自分の座っている位置に川が流れており、自分の空間が広がった感覚がありました。私は、一人でいるのが好きなので、そうした静かに物思いにふける時間は本当にいいと思うのですが、人と話すのが好きな人はどう感じるのか気になりました。

「岩国シロヘビの館」で、初めてシロヘビを見ました。ヘビが苦手な人が多いイメージだったので、館内にたくさんの人がいることに驚きました。シロヘビは、願いを叶えてくれるなどの言い伝えがあるので、気持ち悪いなどの悪いイメージを持つことなくじっくり見ることができました。ヘビの体の構造が分かる模型があり、あの細長い体の中に人間と同じものが入っているということに少し感動しました。人間と違う形の生き物を見ると、どうしても人間とは体の構造が異なるゾンビのようなものだと考えてしまい、気持ち悪いと思ってしまうので、そうした固定観念をなくすためにも生物への理解は大事だと思いました。<文:宗教学研究室3年次・小野寺沙紀>