光市の普賢(ふげん)祭りとバラ祭り(宗教学実習、2016年5月14日)~その2

今回の実習先は、光市の普賢祭りと冠山総合公園のばら祭であった。今年春に山口に住んで4年目を迎えたわけであるが、光市には初めて訪れた。今まで光市に対するイメージなどは持ち合わせていなかったが、実習前日にインターネットを見てみると、当の普賢祭は県内でも非常に知名度が高いようであった。前年度の写真を見ながら当日を待った。

普賢祭は普賢寺を中心に屋台が軒を連ねていた。会場は想像以上に広く、片道30分近くかかる場所もあった。飲食系の屋台は勿論、お化け屋敷や射的といった娯楽系のものや、手相占いやおみくじなどスピリチュアルな催しもあった。いつも食べ物にばかり浪費してしまい、その分体重が上乗せされるという悪循環に陥っているため、今回は手相占いに人生初挑戦することにした。500円で、今年の運勢、恋愛面、金銭面、健康面、学業面のいずれかを尋ねることができるのである。正直なところ、全て自分の努力次第で何とかなると思っているので尋ねる必要はなかったのだが、お金を払った以上何かを聞かなければならない。

どの分野も広く浅く話してくれるだろう今年の運勢を占ってもらうことにした。占い師によると、今年は全体的に気運が高いとのことで、何をするのにも良い時期であるらしい。学年と現在の様子を問われ、就職が既に決まっていることを答えると、大学生活の集大成を自分の中で創り上げつつ、来年に向けての準備をコツコツと進めるのが良いと説かれた。肝心の手相の方は形が面白いらしく、“個性的だ”と言われた。手相と生年月日を元に占ってくれるのだが、一番見られているのはやはりその人の人相や雰囲気、要は人柄なのだろうなと思っている。占い師の質問に対し、自分について思わず語ってしまうと余計に“自分”というものが割れてしまう。あそこで黙っていたら、結果はまた違うものになっていたのだろう。占い師の裏を暴きたい気持ちで今はいっぱいである。勿論しっかり飲食も済ませ、普賢祭を後にした。

冠山総合公園のばら祭は、着いた当初フラワーパークのような植物園かと錯覚してしまうほどの美しさだった。あの質と規模で入場料無料というのは非常に驚きである。ひとつ残念だったのはソフトクリームが売り切れだったことである。しかしばら祭以外の日本庭園なども手入れがしっかり行き届いており、気持ちの良い空間が設計されていた。自然公園の中には、冠山総合公園のように人の管理によって自然が成り立っているものがあるが、そうだとわかっていても、晴れた日にゆっくりと散策してみると気持ちがいい。最近花の撮影に関心があるので尚更楽しい一日であった。<文:宗教学研究室4年次・畑中千尋>