乾 秀行

人文学部人文学科 欧米言語文学コース 言語学 乾 秀行 INUI Hideyuki

いろいろな言語に触れてみませんか?異文化理解は、世界言語の多様性を知ることから始まります。

乾 秀行

分野 言語類型論・エチオピア諸語の記述研究
担当授業
(学部)
言語学概論(意味・類型・歴史)
言語類型論
言語学特殊講義(言語学)
言語学演習(フィールド言語学)
言語学演習(言語類型論)
言語学特殊講義(言語情報学)
言語学演習(統語論)
言語学演習(音声学・音韻論)
言語学卒論基礎演習
言語学卒論発展演習
担当授業
(研究科)
言語論(言語構造論)
言語論演習(言語構造)
言語論演習(言語類型)

主な研究内容

言語類型論的観点から言語の普遍性と多様性について研究しています。ここ10年ぐらいは、毎年一ヶ月程度エチオピアに現地調査に行き、辞書もなければ文法書もない、それどころか文字すら持っていない少数言語の記述研究をしています。私の授業は、グループ学習を中心に据え、自分で研究テーマを考え、議論し、答えを見つけるスタイルで行います。学生たちは、様々な言語や日本語方言を実際に耳で聞きながら音声分析ソフトで解析したり、形態・文法・意味に着目して言語構造を分析したり、その特徴をデータベース化してデジタル言語地図に表示させたりしています。また、ことばの社会的変容を調べるためにアンケート調査をすることもあります。

学問のことなど

エチオピアでのフィールドワークの始まりは、1992年の夏であった。
エジプトのカイロから、黒人さんたちに囲まれながら、不安と期待が錯綜する中、深夜に飛行機は飛び立った。
首都アジスアベバは、標高2500メートルの高地にあるため、一年中平均気温が17度ぐらいと過ごしやすく、朝晩は寒いぐらいである。日本のガイドブックには「アフリカの軽井沢」などと書かれていたりする。しかし長い間の内戦後ということもあり、待ち受けていた現実は全く違っていた。
社会主義政権崩壊直後で、まずは情報収集のためと日本大使館を訪れた私は、大使館の人にいきなり「何しに来たのだ、こんな危ないところに!」と一喝され、地方に行くと列車のチケットを見せたところ、「もし何かあったら、助けに行くのは俺だぞ!」と、市内から一歩も外に出てはいけないと止められてしまった。確かに市内施設にロケット弾が打ち込まれた時で、地方に単身無防備で行こうものなら、旧政権の兵隊があちこちに隠れていて、運が悪い場合は殺されていたかもしれなかった。
あれからもう20年近くになるが、性懲りもなく毎年訪れてはいるものの、私にはまだ「アフリカの軽井沢」と呼べるどころか、日々異文化との戦いである。

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