山口 睦

人文学部人文学科 社会学コース 民俗学・文化人類学 山口 睦 MUTSUMI YAMAGUCHI

文化の違い、民族の違い、いろんな“違い”を大切に生きていく

山口 睦

分野 文化人類学
担当授業
(学部)
民俗学・文化人類学概論
民俗学・文化人類学特殊講義(生活文化)
民俗学・文化人類学講読
民俗学・文化人類学調査実習(企画と実施)
民俗学・文化人類学調査実習(分析と報告)
民俗学・文化人類学基礎演習(生活文化論)
民俗学・文化人類学発展演習(生活文化論)
民俗学・文化人類学卒論基礎演習(生活文化論)
民俗学・文化人類学卒論基礎演習(生活文化論)
担当授業
(研究科)
造形伝承論(物質文化)
造形伝承論(造形伝承)
現代社会分析論演習(物質文化研究)
現代社会分析論演習(造形伝承研究)

主な研究内容

私の専門分野は文化人類学ですが、研究対象は日本を中心にしています。文化人類学は基本的に海外などの他者研究を行いますが、私はまず自分が生まれ育った「日本文化」に魅力を感じました。山形県南陽市のとある農家に保存されていた200年分の贈り物に関する記録を分析して、日本社会の近代化と人間関係の変化を贈り物の変遷から検討しました。その変化は、家を中心とした伝統的な贈与行為から、個人を中心とした新しい贈与行為へという不可逆的なものでした。また、近年自然災害によって大きな被害がでています。被災地にはその被害を補うように支援物資が集まり、人が集まります。現代社会では、新しい公的贈与の領域が拡大しており、その仕組みを解明したいと考えています。人類社会の中に、日本文化を位置づけていくという難しくも楽しい作業を続けています。

学問のことなど

文化人類学とは「フィールドワークという方法で異文化を研究する学問」です。その始まりは大航海時代まで遡り、ヨーロッパ人が彼らにとって未知なアフリカ、アジア、アメリカ大陸で出会ったあまりにも自分たちとは違う人々への、彼らは本当に自分たちと同じ人間なのか、という問いです。そのあまりに自分たちと異なる人々―他者―の生活、衣食住、家族や親族、結婚、儀礼、社会構造などを記述し、分析してきました。その後、現在では数日で世界を一周できるようになり、本だけでなく、写真や映像で世界のどのような他者も目にするようになりました。
しかし、本当にそれで彼・彼女たちを知ることができるのでしょうか?
グーグルアースでパリのセーヌ川沿いを散歩して、情報番組でパリの流行りのお菓子を見て、たとえそれが東京で買えたとして、本当にそれでいいのでしょうか。手絞りで洗ったジーパンが一晩で乾くパリの乾いた空気、屋台で売っているフランスパンの美味しさ、ひどく酔っぱらったホームレス、たまにわけも分からず意地悪されたりする、そんなことを通して現地を身をもって知っていくということがフィールドワークです。遠くに行かなくてもいいのです。現場(フィールド)で実際に人の話を聞き、参加し、体験することによってみなさんの人生も深く、楽しく豊かになります。

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