伝統を感じてみませんか?

こんにちは、人文学部1年のBです。

皆さん、日本の伝統芸能に触れたことはありますか?

歌舞伎、能、狂言、落語、神楽・・・日本には様々な伝統芸能がありますが、自分にとって身近な存在といえる方はまだまだ少ないのではないでしょうか?かくいう私も、学校行事で鑑賞したり日本史の授業で学習したりといった程度でした。

そんな私でしたが、現在は能楽部に所属し、短時間ではありますが月3回観世流の先生から能のお稽古を受けています。今回は、「入部するまでの苦労」と「実際に習って初めて気づいた能の魅力」についてお話ししたいと思います!

まず「入部するまでの苦労」についてお話しします。私は大学でしかできない経験がしたいと思い、入学前に山口大学の部活動・サークルについてネット上で情報収集していました。そんなとき偶然能楽部の存在を知り、非常に興味がわきました。(古典作品が好きなことも大きな要因だったと思います☺) その後新入生歓迎フェスティバルが開催されたのですが、ブースが設けられておらず能楽部の方には会えませんでした💦また当日配られた冊子には活動日しか書かれていなかったため、長らく更新されていない能楽部のTwitterに書かれていた活動場所・活動時間に従って見学に行くことにしました。結局会うことができず、共通教育棟にある「なんでも相談室」に相談することを決めました。すると能楽部の先輩とつないでくださり、ようやく能楽部の正しい活動日程や活動場所を知ることができました!その後実際にお稽古を目の前で拝見し、凛と響き渡る声や威風堂々たる舞に心を鷲掴みにされて入部を決めました。

このように、能楽部にたどり着くまでにはなかなか大変な思いをしました…。今年は新入生の方が簡単に見つけられるように工夫するつもりです!しかし苦労して探したからこそ、実際にお稽古を見ることができた際の喜びはひとしおだったといえる面もあります。皆さんも、自分の入りたい部活・サークルが見つからないときは諦めずに根気強く探してみてもいいかもしれません☺

次に「実際に習って初めて気づいた能の魅力」についてお話します。いろいろあるのですが、1つ挙げるならば「声や動きの美しさを追求するなかで自己表現の幅を広げることができる」という点です。自分では緊張感を持って必死に舞のフォームをきれいに保っているつもりでも、細かい部分の動きが不十分になってしまうことは非常に多いです。先生はそれをひとつひとつ丁寧に指摘して下さり、より美しく見せるためにどうすればよいかをお教えくださいます。先生はよく「人形になった気持ちで」とアドバイスしてくださるのですが、これは能においてはある意味「人間らしくない」動きが美しいとされるということを意味しています。つまり、能においては日常生活の中では絶対にしない動きをとることが多いのですが(体幹や身体の柔らかさの重要性をいつも感じています)、新鮮な動きだからこそ自身の上達を実感すると非常に嬉しく感じます。また、様々なストーリーの中でそれぞれの「美しさ」を追求し続けることは自己表現の多様化につながります。一つ一つの能は「物語」であるため、登場人物の状況や背景を想像したうえで感情を込めて舞ったり声を出したりすることが大切です。基本となる動きは変わらないものの、美しさの表現方法はもちろん各ストーリーの主題によって異なります。自己の様々な面を表現する経験を積むなかで、新たな表現方法を手に入れた自分に何度も出会えるといえるでしょう。

今回は舞とセリフで構成された「お仕舞い」という形式についてお話ししましたが、セリフ(正しくは謡:うたい)だけで構成する「独吟」という形式も存在します。能楽部では、自分の希望する方を選ぶことが可能です!

また、これは私が実際に使っている足袋と扇です。(写真1)足袋を履くと身体が一気に能楽部のモードに変わります。

長くなってしまいましたが、少しでも能の魅力をお伝えできていれば幸いです☺

皆さんも、自分の肌で伝統を感じてみませんか?

1年(B)

 

 

(写真1)