森野 正弘

人文学部人文学科 日本・中国言語文学コース 日本文学 森野 正弘 MORINO Masahiro

人生のひと時、王朝文学を読み耽ってみませんか。

森野 正弘

分野 日本文学(中古)
担当授業
(学部)
日本文学史(中古)
日本文学特殊講義(中古)
日本文学基礎講読(中古)
日本文学発展講読(中古)
日本文学演習(中古)
日本文学卒論基礎演習
日本文学卒論発展演習
担当授業
(研究科)
日本文学論(中古)
日本文学論演習(中古文学研究)
日本文学論演習(中古文学講読)

主な研究内容

現在取り組んでいる研究テーマは二つあり、「平安文学における時間表象」と「源氏物語における音楽関連描写」について研究しています。前者は、〈直線的時間/循環的時間〉という観点を用いて平安文学を捉え直していこうとするもので、後者は、楽器や演奏者の系譜に注目して、その歴史的背景や説話伝承との関係を明らかにしようとするものです。授業では、源氏物語をはじめとして、伊勢物語や枕草子、蜻蛉日記や和泉式部日記などの平安文学作品について、講義をしたり、学生の研究のサポートをしたりします。

学問のことなど

京都憧憬。記憶を辿ればそこに行きつくかもしれません。私は大学生の時に、『源氏物語』を研究するサークルに入っていました。活動内容は、古い時代に書かれた注釈書を読み比べて本文を解釈したり、字典を片手に写本の文字をひたすら目で追ったりといった、実に単調なものでした。バイト代が出るわけでもないのにどうしてそんな作業をがまんして続けていたかというと、毎年12月に京都へ旅行するというイベントが待っていたからです。本当はパリに憧れていたのですが、残念なことに私は画学生ではありませんでした。もう少し地道な文学部の学生だったのです。京都では、現在の町並みの上に『源氏物語』の地図を重ね合わせてあちこち歩き回りました。何の変哲もない路地に感慨を覚えたりしているうちに、いつしか、文字だけで把握していた『源氏物語』の世界に質感が伴うようになっていきました。京都に行くことが目的だったはずの私の中では、『源氏物語』の占める割り合いが徐々に膨らみ、京都旅行はその作品世界を理解するための手段へと役割を変えていったのです。今現在、平安文学を専攻する学生たちとゼミを形成していますが、ときどき、京都憧憬症候群に罹患してしまった人を見かけます。

さらに詳しく知りたい方へ