藤川 哲

人文学部人文学科 哲学コース 美学・美術史 藤川 哲 FUJIKAWA Satoshi

展覧会へ出掛けましょう。作品との出会いが美術史の出発点です。

藤川 哲

分野 西洋美術史/近代日本美術史/現代美術/国際美術展
担当授業
(学部)
美学・美術史概論(美術史)
美学・美術史特殊講義(美術史)
美学・美術史講読(美術史)
美学・美術史基礎演習(美術史)
美学・美術史発展演習(美術史)
美学・美術史卒論基礎演習(美術史)
美学・美術史卒論発展演習(美術史)
担当授業
(研究科)
芸術論(美術史)
芸術論演習(近代美術史)
芸術論演習(現代美術史)

主な研究内容

《モナ・リザ》の実物を見ていない人も、イメージは思い浮かべられるでしょう。なぜでしょうか。実物はパリのルーヴル美術館に展示されています。私たちのほとんどが、《モナ・リザ》を美術の教科書や歴史の資料集、あるいはテレビや映画、CMなどを通じて知っています。なぜ《モナ・リザ》はCMに使われるのでしょうか。作者のレオナルド・ダ・ヴィンチはイタリア人です。日本人と《モナ・リザ》の関係は、いったいどのようなものでしょうか。なぜ《モナ・リザ》は、「人類」の宝なのでしょうか。美術史を学ぶことを通して、私たちの身のまわりにある視覚文化全体を見つめ直してみましょう。文化のグローバル化について、一緒に考えましょう。

学問のことなど

高校1年生の3学期、風邪をこじらせて2週間ほど入院したことがあります。当時、美術部で油絵を描いていた私は、よく指先を使って、絵具を直接カンヴァスの上に伸ばして微妙な色の調子を出していました。絵具の中には、有害な物質を含んでいる色もありましたから、ちょっとした傷口からそうした物質が入ったのかも知れません。入院生活の時間つぶしに、と父が買ってきてくれた本の中に、高階秀爾『名画を見る眼』(岩波新書)がありました。それまで描く側から見ていた絵が、鑑賞する側から語られていることに新鮮な驚きがありました。その後、美術大学への進学希望を親から反対され、当時、今よりは学費が安くてすんだ国立大学を受験して、文学部に入りました。縁あってその大学で、かつて読んだ本の著者、高階秀爾先生の指導のもとで「美術史」を学ぶことができました。その後、大学院へ進学し、美術館の学芸員として5年間務め、2002年からこの山口大学で美術史を教えています。私が今の道に進むことになったきっかけが『名画を見る眼』を読んだことだったかも知れない、と気がついたのは、美術館に就職して1,2年経ってからのことでした。きっかけのようなものは、このように後になって「そういえば…」といった感じで気づくようになるものだと思います。ですから皆さん、今はいろんなことに関心を持って、「自分なりの発見」を積み重ねていくことが、いつか気がつけば自分の将来につながっていた、ということになるのではないでしょうか。

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