柏木 寧子

人文学部人文学科 哲学コース 東洋思想史 柏木 寧子 KASHIWAGI Yasuko

私たちの存在は私たち自身にも謎。でも古人の知恵で照らすなら―

柏木 寧子

分野 古代・中世日本倫理思想史
担当授業
(学部)
哲学概論
東洋思想史概論(日本古代中世)
東洋思想史特殊講義(日本古代中世)
東洋思想史講読(日本古代中世)
東洋思想史演習(日本古代中世)
東洋思想史卒論基礎演習(日本古代中世)
東洋思想史卒論発展演習(日本古代中世)
担当授業
(研究科)
日本思想論(古代中世)
日本思想論演習(古代中世・信仰)
日本思想論演習(古代中世・文芸)

主な研究内容

私たちはいまどのようにあるのか、なぜこのようにあるのか、これから何を願いうるのか。日本倫理思想史は、古典と対話しつつ、自らの存在・思考の根を探る学問です。主として古代・中世の文芸・仏教テクストを読み解きながら、生きて死ぬこと、自分がほかでもないこの自分であること、他者と出逢い交わること、などについて、かつて人々がめぐらした思いを反復し、その意味を考えます。古人と私たちとの間には隔たりがありますが、安易な裁断を慎み虚心にテクストに向かうなら、やがて彼らの思いが蘇り、私たちのいまを照らしてくれるでしょう。学生の皆さん一人一人にそのようなテクスト・古人との出会いが訪れれば幸いです。

学問のことなど

古代・中世日本倫理思想史を学んでいます。この道に入った経緯を振り返ると、行き当たりばったりや成り行きを重ねて今に至っている気がします。専攻を確定しないまま大学に入り、寺社旧蹟をうろついたりぼーっとしたりして過ごすうち、自分の背負っている何かが気になるようになりました。暮らした街が京都でなければ、そんなことはなかったかもしれません。在籍した大学には日本の思想を学ぶのによい教室がなく、卒業後、ともかくも2年間だけと、某大学院倫理学教室に進みました。「倫理」などおよそ自分の柄ではないので大いに気後れしましたが、ほかに選択肢がなかったのです。入ってみるとやはり場違いであったと痛感し、ここに長くはいられないと思いました。が、たまたま『御伽草子』を読む演習が開講されていて、幸か不幸か、これにはまってしまったのです。どれほど頭を絞って考えていっても、先生が示される解釈は予想外、かつ全く説得的で、毎度驚歎させられました。本を読むとは、思想を相手にするとは、どういうことか、先生の実践にふれて眼を開かれるうち、身の程知らずには相違ありませんが、いつのまにかもう少しこの道を歩きたいと思うようになりました。

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