教員著書刊行情報

歴史学コース担当 藤永康政准教授が執筆にかかわった図書が刊行されました。

油井大三郎 編
越境する一九六〇年代 米国・日本・西欧の国際比較  2012年5月
1960s

<書籍データ>
*単行本(A5):394ページ
*出版社:彩流社(2012/5)
*言語 日本語
*ISBN: 9784779117909

<著者からひとこと>
2000年代初頭より、「激動の1960年代」を回顧する書籍の刊行が相次いでいます。本書は、これまで運動の当事者が回顧するにとどまっていた「1960年代」を、「越境」をキーワードとして考察し、史学実証的に検証することを目的に編まれた研究書です。私が担当した章では、1960年代の多様な社会政治運動を牽引する役割を果たした黒人の運動の急進主義に関する考察を行っています。同章は、運動の穏健な指導者であったキングの運動は、アジア・アフリカの独立運動などから刺戟を受けたところがあり、究極のところマルコムXなどの黒人急進派と同じ人的・組織的なリソースを共有するものであった、ということを論じています。

 同書は、1960年代を経験した世代と経験していない世代の歴史研究者による共同研究(科研費基盤研究A)の成果をもとにしていますが、書籍の刊行にあたっては、過度に専門的にならず、一般読者にもわかりやすい内容で語ることを寄稿者みなが意識して書きました。さらにもっと若い世代の方々が、「60年代研究」に関心を持って頂ければ幸いです。