4年生の就活体験談

11月28日(水)16:10-17:20人文学部小講義室にて、就職先が決まった4年生から自分の就職活動の体験談を聞く会が開催されました。最も身近な先輩から、生の声で体験談を聞ける貴重な機会となりました。

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話をしてくれたのは、藤井浩子さん(旅客鉄道会社)、黒田智美さん(出版社)、藤川紗代さん(地方公共団体)、河田奈結さん(高校教員)の4人です。

まずは、藤井さんからのメッセージです。

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人文学部言語文化学科中国語学・中国文学コース4年

藤井浩子

はじめに

みなさんこんにちは。はじめまして。言語文化学科中国語学・中国文学コース4年の藤井浩子です。私はJR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)の事務系総合職 鉄道 エリアコース中国で内定を頂きました。

私の就職活動の体験が少しでも皆さんの背中を押せるように今日は5点についてアドバイスをしたいと思います。

藤井さんの話

藤井さんの話

就活は自分の人生を考える絶好のタイミングです。

自分は公務員だな、教員になりたい、一般企業に就職したい、皆さん何となく周りに流されていませんか? 私が3年生と話していると、周りがこうだから自分もこうするという考えの人に多く出会います。今からでも遅くないです。なぜ民間企業に就職したいのか、または公務員教員になりたいのかもう一度よく考えてみてください。それが就活でよく言われる「軸」となります。

ここからは具体的に私の就職活動の体験をお話します。

1.軸を知る

私は就職活動を始める時にはすでに明確な軸を持っていたので、何がやりたいのか分からないとあまり悩みませんでした。

私の軸はずばり「鉄道」でした。

なぜ鉄道なのかというと、私は北京に1年留学している間に日本のインフラがとても優れていることに気付いたからです。中国は経済力をつけてきたとはいえ、まだまだ発展途上の国です。電気や上下水道など都市で生活していても十分ではないことが多々ありました。

留学中外国の友人と話していると、日本の技術を褒めて貰えることがよくあります。そこで私はインドネシアやルクセンブルクの友人から「日本の鉄道はすごい。新幹線は私たちも知っている。とても早いんでしょ?」と言われたことが強く印象に残っています。そして北京から中国各地へ旅行をする際に長距離寝台列車を使うことが多く、日本だったら日帰りも可能な距離を夜間に移動しなければならない不便さも身をもって体験しました。

そして留学が終った頃ちょうど北京上海間の高速鉄道が開通し、事故が起きました。その映像を見て、安全だと言われている日本の鉄道インフラを世界へ広めていける仕事、または鉄道の安全に関わる仕事を目指すようになりました。
もしもまだ明確に就職活動の軸が無いという人がいたら、もう一度よく考えてみてください。過去の体験から自分がどんなことでやりがいを感じたか、どういうことに使命感や達成感を覚えたのか。それが軸を見つけるヒントとなります。

2.業界を知る

私は鉄道に関わる仕事は何があるだろうと考えました。

JRや私鉄などの鉄道運行会社はもちろん、日立製作所や川崎重工業などの車両メーカー、三菱電機や東芝などの鉄道の電装品といった部品メーカー、駅舎やトンネルなどを作るゼネコン。こういった企業を中心に私は就職活動を行いました。

鉄道と一つ言ってもそれに関わる企業はたくさんあります。自分が気になる業界が思いもよらない別の業界と深く繋がっている場合もあります。業界地図や就職四季報で基礎知識を蓄えてもまだよくわからないと思ったら、雑誌の「東洋経済」や「週刊ダイヤモンド」といった経済雑誌を読んでみると、就活といった視点ではなく業界を見ることができるのでお勧めです。これらの雑誌は就職支援室に置いてあります。

日経新聞を読むのもいいですが、もし経済用語など分からない事が多いなと思ったら、就職支援室が主催している「新聞の読み方講座」を利用して下さい。昨年では「TPP」や「社会保障と税の一体改革」「スマートグリッド」などの時事問題から、業界の解説とその業界で話題になっている時事を分かりやすく厳しく教えてもらえました。

3.企業を知る

実際に就職活動が始まったら企業説明会に参加することが多くなると思います。

そこで一点注意です。最近説明会と言わずに「オープンセミナー」「社員座談会」などと呼ばれるものが実際説明会だったりします。12月にナビがオープンしたら、頻繁にチェックするようにしてください。予約が取れずに参加できないのは勿体ないです。

企業説明会に参加したら、少なくともその企業のやっている事業はなんとなく理解できると思います。私は説明会では一番その会社の雰囲気を感じるようにしていました。本当にここに入ったら楽しくやっていけるのか、それは説明会に行って空気で感じないと分かりません。積極的に質問をし、直接社員の方と話してみてください。

質問の場では、もしも説明を聞いただけでは分からなかった場合「御社の強みは何ですか」と直接聞くようにしていました。実際に働いている社員さんが感じる強みはエントリーシートを書く時のヒントにもなります。また、「ライバル会社はどこですか」という質問も業界研究に役立ちました。その企業に入りたいという意思表示をする時(エントリーシート、面接での志望動機)に強みに共感したからというのは一つの手となります。

大きい企業だとたくさんグループ会社があります。そういうところを狙うのもおススメです。

4.職種を知る

就活とは人生を考えるとこだと冒頭でお話ししました。

企業には総合職と一般職というものがあります。総合職は将来的に会社の経営に携わるため、全国転勤があることも多いです。一般職はサポート的な役割が多く、責任ある立場に上り詰めるために時間がかかることもあります。その反面定住して仕事が出来るなどのメリットもあります。
JR西日本では鉄道運行に専門的に関わるプロフェッショナル職というのがあります。これが他社でいう一般職です。プロフェッショナル職は入社後駅員または運転士、司令員などの専門職を目指します。ずっと現場で働きたい、長くお客様と接したいと思うならプロフェッショナル職を選ぶのがいいでしょう。しかし私はやはりより多くの人に影響を与えたいと思い総合職を希望しました。人事や教育の仕事に就くことで現場の社員に影響を与え、その人たちが何万人ものお客様に影響を与えることができると考えたからです。

総合職の選考が終った後一般職の選考が始まることが多いので、併願できることがあります。一度お祈りされたとしても、どうしても入りたい企業があればもう一度チャレンジすることも可能かもしれません。よく調べてください。
そして営業、総務、人事、経理などいろいろな職種がありますが、自分がその会社に入ってからどういう風に活躍したいのかも明確にしておくべきです。私はメーカーでは営業、鉄道運行会社では人事教育面がやりたいとその企業ごとに変えていました。それぞれに企業でやりたいことは別だと思うので、エントリーする時点でよく考えてみて下さい。

5.自分を知る

入社したい企業が決まっても自分をアピールできなければ意味がありません。ここからは自己分析、エントリーシート、面接といったお話をします。

まず自己分析です。自己分析は一人でやらず、友人や先輩後輩、就活仲間と行ってください。この時期自分の弱点ばかり目に付いてネガティブになります。企業はあなたがどんないい所を持っていてそれをどう生かしてくれるのかを知りたがっています。それを整理出来ればエントリーシートや面接で悩むことはなくなります。

具体的に私のPRを例にお話しします。

エントリーシートでも面接でも論理的に簡潔に物事を伝える能力を試されます。

「自己PRをして下さい」と言われたらとにかく論理的に短くポイントだけを伝えてください。次の順で表現するとより簡潔に伝わります。

簡潔にポイントを述べる(例:私の強みは「自分の目・耳・足で確かめる行動力」です。)

それを具体的に証明できるエピソードを述べる(例:北京に1年間留学した際、上海など都市だけではなく、地方の現状も知りたいと思い、ハルビンや四川など8つの地域へ足を運びました。)

そこから得た結果や成果を述べる(例:そこで地方ではまだまだ電気や交通インフラが整っていない現実を目の当たりにしました。この経験から実際に自分の足で行動する大切さを学びました。)

その力を受験企業で生かせることをアピールする(例:この力を生かして御社でも現場に多く足を運びお客様や社員の声に耳を傾けます!)

400字程度がちょうど1分間で話せる内容なので、あらかじめテンプレートを作っておくと便利です。自己PRは何人もの他者に聞いてもらって洗練させてください。このPRさえ完成させておけばエントリーシートでも面接でも困ることはありません。気になった点があれば面接官から質問して下さいます。その時にもう少し丁寧に説明できれば問題ないです。

面接は慣れです。就職支援室で練習会があるので積極的に参加して下さい。そして自己PRで悩んでいるのなら、就職支援室や人文学部が行っているキャリアカウンセリングに行ってください。学校の支援は有効に利用するのが自己成長への近道です。

さいごに

就職活動を始める際には自分がどこでどういうふうに働きたいかをよく考えてください。

やはりご両親とも話し合うことが重要です。親子で認識の違いがあると後々自分が苦しくなります。ご両親は大学まで出したんだからといって有名企業の名前を挙げるかもしれません。人文は女性が多いので地元の近場で就職して欲しいという人も多いでしょう。しかしこれは自分の人生です。家族と意見が違うなら、まずそこから説得して下さい。

そして就活仲間を作るでもいいし、もともとの友人、先輩後輩先生でもいいです。とにかく人と会って話してください。何気ない話から自分の良い所が見つかるかもしれません。他人から見た自分の評価はとても役立ちます。

家族や友人の支えは就活中またはそれ以降の人生の財産となります。

就職活動の成功は内定をいくつ取ったということではありません。自分が本当にやりたいことができる会社に就職できたかです。

みなさんの就職活動が成功することを願って、私の話は終わらせて頂きます。ありがとうございました。