教員著書刊行情報

アジア言語学コース担当 松田泰代准教授が執筆にかかわった図書が刊行されました。

京都図書館学研究会 編
図書館情報学教育論叢 岩猿敏生先生卒寿記念論文集 2012年6月
tosho

<書籍データ>
*単行本(A5):267ページ
*出版社:京都図書館学研究会(2012/6)
*言語 日本語
*ISBN: 9784947584045

<著者からひとこと>
 『図書館情報学教育論叢』は、サブタイトルからもわかるように岩猿敏生先生を中心とした集まり「京都図書館学研究会」(愛称:岩猿研)のメンバーが、岩猿先生の卒寿を記念して上梓した本である。卒寿のお祝いの予定だったが、原稿締め切りが3度も延期され、ようやく出版にいたった2012年には御歳93歳になられ、遅いお祝いになってしまった。

 本書は、図書館学教育に関して各々の専門領域から多様な角度で論じた論文集である。構成は、アメリカ編、ヨーロッパ編、日本編の三部構成になっている。アメリカ編では、大城善哉と川崎秀子が「ALAの1951年図書館学教育認定基準の成立過程」、倉橋英逸が「北米における図書館職の研究と教育の変遷」、辻武夫が「メルビル・ディーイの図書館教育」、山本貴子が「アメリカの公共図書館における職員の地位・グレードと資格要件」を寄せており、ヨーロッパ編では、石田俊郎が「シュレッティンガーの「図書館学」に関する一考察」、中島幸子が「ボローニャ・プロセスとヨーロッパの図書館情報学教育カリキュラム改革」を、日本編では、漢那憲治が「占領下沖縄におけるライブラリアンシップ教育」、瀬戸口誠が「日本の情報リテラシー教育における大学図書館員の役割モデル」、山中康行が「大学図書館中堅職員のリカレント教育の変遷と意義」、渡辺信一が「小野則秋の人と業績」、そして拙者もこの日本編の中に「姉崎正治の図書館員啓蒙活動」を執筆させていただいた。

 姉崎正治(1873-1949)は、日本における宗教学の創始者であり、東京大学宗教学研究室の初代教授である。また、東京帝国大学附属図書館の館長を務め、関東大震災後の附属図書館復興事業を成し遂げた人物でもある。拙稿では、姉崎の図書館人としての活動、とくに図書館普及活動や図書館員啓蒙活動に焦点をあて、日本図書館界への寄与の考察をおこなった。