海外調査研修(台湾)レポート(文:言語文化学科 中国語学・中国文学コース 石川歩)

 今回の海外研修が私にとって初めての海外であった。出発前から分からないことがたくさんあった。そして一緒に行くメンバーはどんな人なのだろう、仲良くなれるのかというちょっとした不安があった。そしてなにより一番不安だったのが言葉の壁であった。自分の英語力に自信はなく、ましてや中国語コースであるが会話ができるほど中国語をマスターしているわけではない。「台湾の人たちは親日だから大丈夫」「日本語が通じることも多い」「英語ができなくてもジェスチャーや単語だけでも通じる」など実際に海外へ行ったことがある人たちから聞いていたが、実際に行くまではどんなものか、想像がつかなかった。
 実際に台湾に行って過ごした4泊5日というのはあっという間だった。グループのみんなは学年関係なくふざけ合ったり、助け合ったり笑いの絶えない日々を過ごすことができた。行く前にもっていたメンバーに関する不安はすぐになくなり、とても心強く感じた。
 言葉に関する不安は台湾で過ごしていくうちになくなっていった。東呉大学や淡江大学の学生の流暢な英語が聞き取れなかったり、聞き取れても自分の言いたいことがなかなか上手く言えなかったりと、どうしようと思うことも何度もあった。しかし単語を並べたり、簡単な英文を用いたりすることで会話をすることができた。当たり前のように思っていた単語や文が伝わらないことも多々あった。それでも自分の拙い英語に耳を傾けてくれ、話をしてくれる、会話ができるということは大きな喜びであった。もっと話したいという思いがわきあがった。台湾に来る以前の自分では考えられない。会話なんてできるわけない、むしろ怖くて話せなかった。この研修でそんな思いもなくなった。
 研修の目的である「英語教育の調査」のために参加した授業は日本と全く異なるものだった。台湾での授業はディスカッションが主に行われており、教室内が静かになることはなく英語が飛び交っていた。あっという間の時間だった。小中で楽しくやっていた英語の授業の難易度を大学レベルに挙げたように感じた。
 今回の研修で話すことの楽しさや喜びを感じることができた。他の大学の授業に参加したり、外国人の友人ができたり、日本にいたら体験できないようなことばかりだった。英語教育についてだけではなく、台湾の人や生活、歴史、文化などさまざまなことに触れることができた。この研修に参加したことは私に大きな変化をもたらしてくれた。一歩踏み出して新しいことに挑戦する大切さ、いろんな人と会話する楽しさを知り、英語学習への意欲がますます出てきた。この研修に参加できたことを嬉しく思うと同時に、今後たくさんの人に参加してもらいたいと思う。