海外調査研修(台湾)レポート(文:言語文化学科 英語学・英米文学コース 羽嶋裕子)

 海外の英語教育の実態を調査するにあたって、台湾の二つの大学で研修を行いました。英語の授業に参加する中で、そのレベルの高さに驚かされました。まず、どちらの大学でも授業はほぼ英語を使って進められていました。日本の大学ではあまり見られないような少人数クラスで、どの生徒にも英語で発言する機会が多くありました。また、グループごとに英語でプレゼン、英字新聞を使ってのワークが課せられ、聞くだけでなくより活動的な授業であるという印象を受けました。授業の中ではこちらの学生とあちらの学生がコミュニケーションをとる時間を設けていただき、自己紹介やインタビューなどを通して会話を楽しむことができました。
 淡江大学の授業に参加させていただいた際には、生徒が自ら挙手して発表する姿が多く見られました。クラスのほとんどの生徒が授業の中で数回発言していたように思います。生徒が先生の質問に回答し、正解するとほかの生徒が拍手しており、クラスの雰囲気も大変良いと感じました。この雰囲気が生徒のやる気を高め、英語を話すことへの抵抗を無くしているのではないかと思いました。授業内容はとても充実したものであり、先生方の表情や生徒への対応からは熱心さが伝わってきました。
 あちらの学生へのインタビューで、発音や聞き取りの練習はどうしているかと尋ねたところ、洋画を観たり洋楽を聴いたりしているという回答が多くありました。これは授業外のことですが、普段から英語に触れるという習慣が大切であると改めて感じました。どの方もこちらの拙い英語を真剣に聞いて、丁寧に回答してくださり感動しました。
 授業だけでなく、食事や観光を共にすることでより深いコミュニケーションをとることができました。その中で、言葉が思うように出てこず、もどかしい思いをすることが多々ありました。これは自分の英語力の低さを痛感することにつながり、英語を学んで更にスムーズな会話を楽しみたいという欲が生まれました。
 また、学生に限らず台湾の方々は日本人の私たちにとても気さくに、親切に話しかけてくださいました。中には日本語を話すことのできる方もいらっしゃいました。日本に比べ、台湾では外国文化が身近にあり、外国語が自然に出てきているように感じました。
 今回、四泊五日という短い研修期間でしたが、大変貴重な経験を得ることができました。この研修に参加することができて、本当に良かったと思います。これからの英語学習の意欲向上だけでなく、人と人とのつながりの大切さを実感するという大きな成果がありました。引率して下さった先生方はもちろん、あちらの大学の先生方や生徒の皆さん、この研修に携わって下さった方々に深く感謝いたします。ありがとうございました。