教員著書刊行情報

社会学コース担当 岡邊健准教授が執筆にかかわった図書が刊行されました。

岡邊健編
犯罪・非行の社会学――常識をとらえなおす視座 2014年3月

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<書籍データ>
*単行本: 322ページ
*出版社: 有斐閣
*言語: 日本語
*ISBN: 9784641184183
*発売日: 2014年3月27日

<著者からひとこと>
 残念ながら日本では、犯罪について学問的に学ぶ環境があまり整っていません。教科書も限られたものしかありません。これに比べて、たとえば世界の犯罪研究の中心であるアメリカでは、版を重ねているものだけでも、両手でカウントできる範囲をはるかに上回る種類のcriminologyのテキストブックがあります。日本語で読める犯罪社会学の教科書が求められているのは確かだと、私は確信しています。「いつ出すの?――今でしょ!」というわけで企画されたのが、この書というわけです。
 本書では、読みやすさ、使いやすさを考慮して、いくつかの工夫をこらしました。各章の冒頭では、重要な概念を「KEY WORD」として提示しています。また各章に登場する語句から重要なものをピックアップして、「用語解説」を付しました。これらにより読者は、犯罪・非行の社会学における主要概念や重要語句を、比較的容易に概観することができるでしょう。社会学系の大学院へ進学を希望する方の試験対策にも役立つと思います。
 学習・研究を深めていただくために、各章末に「考えてみよう」を配し、当該章の内容をふまえた論点をいくつか示しています。演習形式の授業や自主ゼミなどの場での議論のヒントとして、ご活用ください。独学で読み進める場合には、理解度を試すための演習問題として用いることができると思います。また、巻末で、「犯罪・非行に関する公式統計および研究に関わる主要ウェブサイト」をまとめています。卒業論文の執筆を控えた大学生など、犯罪・非行に関する研究をする方がぜひとも知っておくべきウェブサイトを紹介しました。
 犯罪についてじっくり考えてみたい方、社会学という学問に興味を抱いている方、社会の中での自らの仕事の位置づけを再確認したい犯罪・非行関連の実務家の方、非行という問題を通して子ども・若者について考えてみたい教育関係者の方――これらすべての方々に読んでいただきたいと思います。