平成25年度卒業生 就職活動体験記

平成25年度卒業生 就職活動体験記

 平成25年度卒業生の就職活動体験記です。4名の卒業生の体験談を紹介します。

1 「自分の軸」をしっかり持つこと

 言語文化学科 英語学・英米文学コース  前田美穂さん

 私は中学校教員の内定をいただきました。来年度から地元で教壇に立ち、英語を教えます。私は中学時代に参加したアメリカでのホームステイで、英語を話す楽しさを知ったことがきっかけで教員を志すようになりました。
 4年の初めまで、高校か中学校か、校種で迷っていました。しかし、教育実習や小・中学校でのチューター、自然体験活動等でのボランティアなどで教育現場を見たり、子どもたちと関わったりしていく中で、自分が向いているのは中学校だと感じ始め、最終的に校種を中学校に決めました。だからもし校種で迷っている人がいたら、あせらずに上記のような体験をしたり、採用試験の勉強をしたり、友人と教育について語り合ったりしていく中で、自分に合う校種を見つけていくと良いと思います。
 採用試験では、なぜ教師になりたいのか、どんな教師になりたいのか、教師としてどんな実践がしたいのかなど、自分の教師観や指導観などを深く考え、「自分の軸」をしっかり持つことが大切です。周りが勉強を始めてあせっている人もいるかもしれませんが、基盤となってくるのは人間性であるので、まずはこれまでのことを振り返って、「自分の軸」となる部分をしっかりさせて下さい。
 また人文学部は、教育学部のように採用試験に関する講習会やセミナーがないので、情報収集するのが大変です。だから、ただ情報があたえられるのを待つのではなく、自分で調べ、探していかなければなりません。常にアンテナを張り、自分から積極的に動いていけば、必ず自分のためになるので、まずは自分から動くということを大切にしてほしいです。
 これから採用試験まで辛い時期もあると思いますが、「絶対に教員になる」という強い気持ちを持って、未来の生徒と出会うために、今自分ができることをし続けて下さい。

2 情報を集め自信を持つこと

 人文社会学科 哲学・思想コース  白男川晴菜さん

 私が内定をいただきました企業は山口県の新聞社である宇部日報社です。私は12月から9月まで就職活動をしました。この経験から 1、情報を集める事 2、自信を持つことについて話したいと思います。1の情報を集める事ですが、はじめ私はアパレル業界を志望していたため説明会の集中する2月から大阪で2か月ほど過ごしました。しかし説明会を受けているうちに自分にこの仕事は合ってないのではないかと感じるようになり、違和感を持ったまま面接を受けましたがなかなか通りませんでした。そこで6月から業種を変更して説明会に参加していきました。はじめから業種を絞るのではなく、合同説明会を利用しながらまんべんなく見ていったらいいと思います。また本を読むのもいいのですが、実際に就活を体験した人に業界の状況を詳しく聞いてほしいと思います。実際に見なければわからないこともたくさんあると実感したからです。
 次に、自信を持つ事ですが、就活において自信は大事だと感じました。面接になれていないのと自信不足で当初は上がりっぱなしでした。面接の練習は友人と繰り返し行いましたが、態度を変えるだけでなく、就活中もアルバイトや趣味を頑張ることで自信を持てるようにしました。
 ところで、宇部日報社の説明会を受けたのは7月で、一次試験を受け会社の雰囲気を知ってからこの会社で働きたいと強く感じるようになりました。新聞社を受けたのは初めてで勝手がわかりませんでしたが、新聞に関する本を読むうちに自分なりの意見を作ることが出来ました。面接までに、会社で何をしたいのか、何ができるのか、自分の考えをもつことが出来ると自信を持って面接に臨めると思います。
 4月からは大きく環境が変化しますが、苦労して就活をした分、役に立ちたいという気持ちでいっぱいです。皆さんの就職活動が実りあるものになるよう応援しています。

3 内定への「近道」とは?

 人文社会学科 社会学コース  吉本和真さん

 私は、日本マクドナルド株式会社より内定を頂きました。私の就職活動を通して学んだことを3つほど伝えたいと思います。
 1つ目、広い視点で多角的に企業を見ること。例えば、誰もが知っている企業であれば、先行するイメージや評判があります。また、初めて聞くような企業は、自分の想像に左右されがちです。そうではなく、興味があるならばそのイメージにとらわれることなく、ひとつひとつの企業を吟味してください。自分の視点で。きっと、自分に合った企業が見つかるはずです。
 2つ目、就職活動が本格的に始まる前に出来ることはやっておく。私の反省として、自己分析などを疎かにしていたため、スタートに出遅れたということがあります。内定を頂いた企業の一次面接で困難に直面しました。自分の長所・短所を述べた後、面接官から「それはあなたの本当の長所・短所ではないと思います」と断言されたことです。自己分析をやり直しましたが、これは早くから準備できていたことではないでしょうか。
 3つ目、企業選択の決め手について。私の企業選択の最終的な決め手は、「2・3年後の自分の働く姿が明確にイメージできるかどうか」です。これはとても効果的でした。自分の10年後、20年後と言われても、漠然としてイメージしづらいと思います。しかし、それが2・3年後であれば、イメージしやすいのではないでしょうか。明確にイメージできるかどうかは、しっかりと企業研究をしていることが前提です。企業への理解が深く、また、働きたいと思わないと明確なイメージは出来ないものです。私自身、2・3年後の明確なイメージを描けたのが、マクドナルドでした。
 アドバイスとしては不十分かもしれませんが、どれもやって当たり前のことです。自己分析や業界研究、企業研究を十分にやっておくことこそ、内定への「近道」だと感じました。最後になりましたが、皆さんが希望する企業から内定を頂くことを心から応援しています。

4 しんどいのは自分だけじゃない

 人文社会学科 社会学コース  末次 巧さん

 私は今年度の国家公務員一般職試験に合格し、山口労働局に内定を頂きました。2年間の試験勉強を経て、春から念願の公務員として働けることになりました。
 前述のように、私は1年間、就職活動のために大学に残り、今回が2回目の公務員試験となりました。1度目の就職活動は、大学3年生から、大学生協の公務員講座を受講し、それ以外では、研究室や図書館で自主的に勉強するというものでした。2度目の今年は、図書館に行き、ひたすら問題集を解いていました。 
 1年目は、地元の市役所を希望し、それに向け、同期の友達と共に研究室や図書館で勉強していました。4年生の夏には試験が全て終わったのですが、そこから卒業論文や卒業に関する行事などが重なり、翌年に向けての試験勉強には全く手をつけることができず、試験に向けて本格的に取り組み出したのは5月頃でした。時間が空いたこともあり、今までの知識が抜けていたり、去年やったことをまた一からやり直したりと、思っていた以上に辛いもので、何度も心が折れそうになりました。しかし、そんな時に、同じように就職活動をしている後輩や、社会人として頑張っている同期の友人達と会って話をすると、「しんどいのは自分だけじゃない」と強く感じ、良いモチベーションにつながりました。
 試験も本格的に始まり、夏までにいくつかの試験を併願しました。そして、その中の1つである国家一般職試験に合格し、官庁訪問を経て、山口労働局に内定を頂くことができました。正直なところ、官庁訪問まで、労働局についてはあまり詳しくありませんでした。しかし、仕事を知っていくうちに興味が湧き、気づくと、そこで働きたいと思うようになっていました。自分では全く想像していなかった将来でしたが、全力でやって決まったところが、自分にとって縁のあったところなのだと強く感じました。
 2年間という期間、最後まで諦めずに頑張れたのは、友人や先生、家族など、精神的な支えとなる存在があったからだと思っています。公務員を目指している人は、辛い時期も多いと思いますが、たとえ時間がかかっても、まずは1回、目標に向かって妥協せずにやってみることが良い結果につながるのではないかと思います。皆さんが無事、希望の就職先に着けることを心から応援しています。