平成26年度卒業生 就職活動体験記

平成26年度卒業生 就職活動体験記

 平成26年度卒業生の就職活動体験記です。5名の卒業生の体験談を紹介します。

1 アクションでチャンスをつかむ

 言語文化学科 中国語学・中国文学コース  石川 歩さん

 まず、最初に言っておきたいことは、就活体験談ということで色々な先輩からアドバイスをもらうと思います。それを一から十まですべて真似をしてはいけないということです。その人にあったやり方やペースがあります。すべて真似をするのではなく、「あ、これは私に向いているかも!」ということだけを取り込んで、自分のものにしてください。そして自分の中の「軸」を大切にしてください。その軸は自分自身です。これだけは決して曲げないでください。
 私は銀行の総合職に内定をいただきました。主に外回りを行います。皆さんの良く知る窓口は一般職です。私の志望業種は金融のみで、エントリー11社、選考8社と周りの就活生に比べかなり少なかったです。面接練習やES添削、インターンシップなどにも行っていません。では適当にしてきたのか?というと、そうではありません。面接官は人を見るプロです。適当にやれば分かります。実際に、ほぼ練習という気持ちで受けた企業には落とされました。
 今回内定をいただいた過程は少し特殊でした。というのも、私は一度この銀行の総合職の面接で落ちているからです。しかし第一志望だったため、企業についてすべて調べなおし、ここにどうしても入りたいのか、何が活かせるのか、と、納得のいくまで考えました。そして一般職で再度選考に臨みました。やりきった、悔いはないと思えると、自然と自信や熱意が伝わります。最終面接で役員の方に「もう一度総合職を受けないか、一緒に総合職として働きたい」と言っていただき、第一志望で内定をいただけました。
 私は運よくチャンスを与えていただいて内定をとりました。しかし何もしてなかったわけではありません。自分に合った方法で就活をし、絶対に行きたいという気持ちで努力し、自分を変えていきました。もちろん、持ち駒が少なく不安もありました。ですが、最後はなるようになるのです。そのなるようになるためにはもちろん努力が必要です。自分からアクションを起こさなければチャンスは与えられません。なにもしないで得たものと、自分でアクションを起こして得たものには大きな差があります。
 最後に、就活の時期がずれ、不安でいっぱいと思います。周りは関係ありません。自分のペースで進めていってください。悔し涙を流すこともあると思います。その涙が、最後には嬉し涙になるよう祈っています。頑張ってください。

2 仲間と支え合って就活を乗り切る

 言語文化学科 日本語学・日本文学コース  三村咲乃さん

 私は高校教員の内定を頂きました。春から地元で教壇に立ち、国語を教えていきます。私は高校時代の古典の授業で古典の面白さに触れ、古典の授業を行うことのできる高校の教員を志望しました。このような経緯があったため、中学校教員の免許は取得しませんでした。しかし、就職活動を終えた今、自身の可能性を広げるためにも、中高両方の免許を取得しておくべきだったと思います。中高どちらかで迷っている人は両方の取得を目指すことをお勧めします。特に教育実習に2回も行くことができるのは、人文学部の学生にとってとても貴重な経験になると思います。
 採用試験は、主に学力を問う一次試験と面接等で人間性を問う二次試験の2つの試験が行われます。一次試験に関しては、過去問等でしっかり情報収集を行ったうえでの対策をするべきだと思います。同じ自治体を受験する人同士、情報交換や進捗報告をすることでお互いの励みになると思います。
 二次試験は、面接や集団討論のように一人ではなかなか対策の出来ない試験になります。私は同じように教員を目指す友人とグループを作り、対策を進めていきました。このとき他教科・他校種の人にも声をかけるといいと思います。特に模擬授業では、その教科が専門ではない人の意見をその教科が苦手な生徒の意見であると考え、対策をすることが出来ました。また、面接試験はどの自治体においても配点が高く設定されています。自分が教員になりたいと思った理由や、実際教員になった際どのような教育を行いたいかについては、自分の核となる部分を確立しておいてください。
 私が就職活動全体を通して一番大切だと思うのは、一緒に努力したり、困ったときや悩んだときに相談したりすることの出来る人を見つけることだと思います。就職活動は長丁場です。途中で心が折れそうになったり、気持ちが緩んでしまったりすることもあると思います。そんな時には周りに相談してください。将来どの職に就くことになっても、周りと協力して物事をやり遂げる力は必ず必要になると思います。これから採用試験まで長い道のりになります。仲間と支え合いながら就職活動を乗り切ってください。

3 選んだ理由を明確にしよう

 人文社会学科 哲学・思想コース  村上賢一さん

 はじめまして。春から山口県の公立高等学校教員として働かせていただきます。教科は公民で倫理を専門としています。この度は就職活動の体験談ということで、主に教員を志望する人に向けて書かせていただきます。
 教員を志望する方は、受験先として地元の学校を志望される方が大半だと思います。そこで私は地元でない山口を選んだという立場から、出願先を決めるにあたって考えたことをお話したいと思います。
 まず、安易に地元だからという考えはいったん置いてもらいたいと思います。みなさんには自分が「教員」として働きたいのか、それともやはり場所にこだわるのかをよく考えてもらいたいと思います。私は前者でした。受験先を選ぶにあたって、教員としてのみなさんの可能性を広げる意味でも、地元以外にも興味を持ってみてほしいと思うのです。狭い視野ではなく広い視野を持って判断してほしいということであって、地元を否定するわけではありません。
 民間も公務員も同じですが、志望するにあたってどうしてそこなのかというのは大事になってきます。「地元だから」では通用しません。ですから、他県の教育方針や施策を地元のものと比べてみるなどして新たな視点で地元を見つめ、その上で判断してみてください。それでも高校社会は募集の有無が安定しないため、必然的に選べる場所が限られてしまうこともあるのが痛いですね。そういう意味では、公立だけでなく私立という視野を頭に入れてみてもいいと思います。ただ、いずれにせよ選んでいくことには変わりないので、しっかり自分が選んだものにはどうしてやなぜという理由をはっきりさせておきましょう。これは出願書や面接でも尋ねられることが多いです。客観的に物事を分析する癖を身に付けておくことをおすすめします。自己分析と似たようなものです。自分が目指す校種・教科・指導などをなぜかとどうしたいかを踏まえて考えてください。もしも1人で抱えこんで悩んだときには、ぜひ私のような経験者や志を同じくする仲間に相談してください。きっとあなたの力になると思いますよ。
 最後に、教員というのは話す仕事でもあるので人を惹きつける話し方ができなくてはなりません。そして、面白い話ができる人というのは、話の引き出しの多い人でもあります。これから大変なこともあるでしょうが、ぜひいろいろなことにチャレンジしてみてくださいね。みなさんの健闘をお祈りしています。

4 心に余裕をもって就職活動を

 人文社会学科 歴史学コース  平岡美砂さん

 皆様、初めまして、人文社会学科歴史学コースの平岡です。私は、山口県庁の行政職に内定をいただきました。
 今回は私の就職活動の体験が少しでも皆様、特に公務員志望の方の力になれるように一次試験の筆記と二次試験の面接対策についてお話しようと思いますので、よろしくお願いします。
 では最初に一次試験の筆記です。公務員の筆記試験には、教養と呼ばれるいわばセンター試験のような一般常識に加えて数的と呼ばれる数学問題が含まれた科目と、専門とよばれる法律、経済知識等を問う科目の二つがあります。基本的に国立大学法人や一部の市役所を除いてこの二つの科目は両方出題されるため、科目数が増えてとても学業と両立して勉強することが難しいように思ってしまう方が多いと思います。しかし実際試験を受けるとわかるのですが、公務員試験では経済原論と財政学のように名前は違うけどかぶっている内容が多いため、実際に勉強する量はそこまで多くありません。そのため、三年の始めから一年間、きっちりと勉強すれば学業と両立しても十分合格出来ますので、あまり心配しないでください。
 では、ここから私が去年行ったことを具体的にお話します。
 まず私は三年の始めからその年の十二月までは、出題数が多い主要五科目の民法、憲法、行政法、経済原論、数的処理を主軸に勉強を行いました。勉強中に心がけていたことは、問題を解くときは消去法でとかず、一つの選択肢があっているのか間違っているのかを考え、迷ったりしたらそこに印をつけて教科書で確認をして、また一日あけて解き治すといったようにじっくりと時間をかけて取り組むことでした。公務員試験では同じ問題は二度と出ないのですが、同じ選択肢は何度も出ます。そのため選択肢で正否を覚えると点数に結びつきやすいからです。
 年明けに入ってからは苦手だった経済原論と数的処理を毎日行いながら、得意だった法律科目は一日交代にし、五教科以外の他の科目に力を入れました。特に力を入れたのが出題数の多い財政学、政治学、行政学で、これらの科目については毎日行い、それ以外の国際関係や経営学などは二日に一度という間隔で行いました。このように、この時期に入ると何に力を入れるかを吟味する時期になります。そのため、この時期からは学校で行われる模試や予想問題などを活用し、自分は何が苦手か、何が得意か、そして自分の志望するところが何を出すのかをきちんと調べてみてください。それを頭にいれて、計画を練ってください。
 最後に試験直前期ですが、この時期には私は時事問題と五教科をメインに苦手な問題を解き直すという形をとっていました。時事問題は速攻の時事(編:資格試験研究会)と呼ばれる公務員試験用の本があるのですが、これを利用していました。最近の公務員試験の傾向として、五教科以外の科目、たとえば国際関係で時事を絡めて出すということがあるので、時事に関してはしっかりと勉強をしておくことをお勧めします。
 さて、次に二次試験に移ります。最初に言っておきますが、二次試験は志望動機ゲームです。サークル活動、バイト、勉強ももちろん大切ですが、志望動機がきちんとかけていないとそれらを聞かれる前に志望動機を根掘り葉掘り聞かれて面接終了という事態を招き、アピールできないどころか、練習と全く違う質問にパニックになってろくに答えられないといった最悪の事態を招きます。そうならないためにも、志望動機はしっかり作っておいてください。では実際にどのような形で志望動機をつくるかですが、個人的には志望先は何を仕事としていて、そこで私は何をしたいかということを考えて、その二つを合わせて考えて書くのがいいと思います。そうすることでもし自分がここに就職したらという想像が鮮明に浮かぶので自己アピールなどでもつなげることができますし何より説得力のある志望動機になります。ただここで注意してほしいのは、その時自分がしたい仕事がそこのメインの仕事ではなかった場合には、メインの仕事に関しても自分がしたいことを考えておくということです。私の実体験なのですが、メインの仕事をでないものを書くと「できないことが多いけどどうする」と必ず聞かれ、そこでうまく返答できないと「こういう仕事だけど大丈夫?」と志望の段階で疑われ、やはり志望動機で話が終わってしまいました。そのため、きちんと返答ができるように対策をしておいてください。これさえできれば後は面接練習をしてくださる就職支援室の人や講座の人の指導をうけて面接なれをするだけですので、恐れず挑んでください。
 最後に、就活全体における個人的なアドバイスをさせてください。公務員試験に限らず、就職活動において大切なのは根気とやる気もありますが、ある程度の余裕が大切だと思います。特に二次試験での試験に対する余裕はいつも通りの振る舞いができるかどうかを決める重要なものです。皆さんも適度の息抜きをして、余裕をもって就活に励んでください。

5 事前準備と情報収集を怠りなく

 人文社会学科 社会学コース  中里俊太さん

 私はこの度、東京に本社があるミドリ安全株式会社という、保安用品や衛生用品を製造・販売する会社から内定を頂きました。就職活動は、3年次11月から始め、製造業を中心に、食品製造業、金融業の企業を受けました。
 就職活動を始める前には、やりたい仕事や志望業界・企業は特に定まっていませんでした。そこで、どのような業界、企業、仕事があるのか徹底して調べ、そこから自身の就きたい仕事について考えることにしました。『会社四季報』等の書籍、日経新聞、ナビサイト、企業のホームページ、学内や個別の企業説明会等を活用して、多くの企業を見ていきました。また、既に就職された先輩方や知人から仕事の話を伺いました。そのうちに、「モノを製造販売」、「企業の活動を下支え」といった大まかな軸が明らかになりました。それを更に突き詰め、応募先企業を決め、選考の準備を行いました。
 選考へ臨むにあたり、企業に関して可能な限り調べ、経営戦略、事業、製品、独自の特徴等々を把握し、企業について自分なりに考えました。その上で、自身のこれまでの経験を振り返り、その企業を選ぶ理由、そこで実現したい事、自己PR、企業と自身の一致点等を考え、書類作成や面接の準備をしました。面接では、それらを端的かつ先方が納得するように伝えなければ、内定を頂くことは難しいです。提出書類はコピーを取って何度も見返し、面接を受けた後は必ず質問と回答をノートに記録して、自身の問題点を発見・改善するようにしていました。
 面接は、選考において非常に重要ですが、最初から上手くゆくものではありません。事前に模擬面接で練習しても良いと思いますが、実際に経験してみるのが一番です。書類を書いて面接を受ければ、何が必要かはっきりします。更に回数を重ねれば、雰囲気に慣れ、質問の意図も分かるようになります。早いうちから面接を受け、経験を積み、本命企業に挑戦するのが好ましいです。事前準備も大切です。特に情報収集は、説明会等で与えられるもので満足するのではなく、書籍、Web、人脈を駆使して自ら獲得するものです。
 最後に、就職活動期間はあっという間です。周りに流されず自らの目的・目標や問題点をはっきりさせ、それを達成・克服する適切な手段を考え、全力で準備して選考に臨んでください。結果が出なくても、諦めたり、下手に妥協したりせず、しかし現実を直視しながら、納得のいく就職先を探し出してください。