就職活動体験記

人文学部では、司書や学芸員を希望する学生が多くいます。

ところが、採用枠が限られていることもあり、「狭き門」というのが現実です。その中で、司書として図書館への就職を果たした杉尾あゆみさんに体験記を投稿していただきました。ぜひ、参考にしてください。

 

「就職活動体験記」№1

 

人文学部人文社会学科社会学コース

杉尾あゆみ

 

私は、図書館学を学んだことで、図書館が地域に貢献している役割の広さや、業界が現在抱える課題を知り、私もその一部になって頑張れたらいいなと感じ、本格的に司書を志望しました。しかし、そもそもの採用枠が少ないということもあり、司書一本に絞らず、いろいろな職種を受けようとも考えていました。

 

以下に、私の就職活動の過程、その中でやってみてよかったこと、反省点をまとめます。

 

>就職活動の過程

私は、「司書になりたい」という希望は長らくあったのですが、就職に対して漠然としたイメージを持っていたので、1~2年生の間あまり積極的に職業研究や情報収集をしておらず、就活直前になって進路に迷いが出ました。それまで知らなかったいろいろな職種・業界を知り、魅力を感じたためです。

3学年の2月から春休みに入り、合同企業説明会に参加を始めました。広島・福岡・大阪といった都市で開催される比較的大規模なものを中心に参加しました。この時点ではあまり目当てを絞り込んでいなかったこともあり、誘われるままにいろいろな業種の話を伺いましたが、直接話が聞けることで知らなかった業界について見えてきて、面白かったです。「就職」像が漠然として、よくわからないという方はこのような場で手当たり次第お話を伺うのも一つの手段だと思います。

4月から、個別企業の説明会に参加し始めました。このあたりで、受験する業界を絞りました。まだ、公務員にするか、一般企業にするかは絞り切れていませんでした。その後6月頃から、私の希望する職種での各種試験が始まりました。職種によってはもっと早いところもあります。西日本の教育系出版社、独立行政法人などを中心に受験しました。公務員試験のA日程がこのあたりで重なるので、並行して受験をする場合は早めに対策を立て始めることをお勧めします。私は、準備が遅かったため、この時の受験はなかなか上手くいきませんでした。一般教養はある程度は直前準備でも対応できるかと思いますが、専門系(ミクロ・マクロ経済学など)は、あらかじめ対策をしておいたほうが良いと感じました。

夏休み半ばに入るころには、周囲の同期メンバーがほぼ1社以上の内定を受け取り、入社・入庁予定が固まっていて、就活も一区切りの雰囲気がありました。卒論の進行もあり、この頃は徐々に負荷が増えて、緊張してくると思います。余裕があれば、ここまでで内定を頂いておけると少し楽になるかもしれません。9月に、図書館実習があり参加させていただきました。仕事の流れや職場の内部の雰囲気などを感じ取れるので、資格上単位取得の必要がなくとも、図書館への就職を視野に入れている方は是非行ってみられることをお勧めします。また、時期的にこの頃に独立行政法人の2次試験が複数重なっていましたが、図書館を本命として決めたため、受けませんでした。面接・試験だけでなく説明会等も含め、時期の重複には注意が必要だと痛感しました。

本命の司書枠の試験は、この年は9月25日(一次)、10月15・18日(二次)と、時期を分けて行われました。筆記試験(一般教養+図書館学)→小論文・クレペリン検査→面接(2回)という流れでした。司書枠は、公務員試験の中でも遅めな場合が多いので、一本に絞る場合メンタルが不安定にならないよう、秋前頃から気を配っておくようにします。その後、11月下旬に結果が出ました。この時期は、卒論の大詰め時期に当たります。卒論の進行具合も、就活スケジュールと合わせて常に気に掛けることをおすすめします。

 

>良かったこと

  1. 図書館実習に伺った、また、1学年の時から先生の勧めで図書館関連の見学会などに参加させていただいたことです。実際に現場を目で見たり、直接お話を聞いたりでき、大変良い機会に恵まれたと思います。そのようなチャンスがあれば足を運んでみると良いと思います。
  2. 就職活動を始めてからは、さまざまな業種の説明会に参加し、すこしでも視野を広げることができてよかったと思います。志望する業界がある程度絞り込めている方も、余裕があれば行ってみると、未知の進路が見つかるかもしれないのでお勧めです。

 

>反省点

  1. 進路を迷い始めたタイミングが3学年の終わりで遅かったことです。もっと早くにいろいろな進路を知っておけば、早く絞り込みができ、スケジュールを管理しやすかったように思います。幅広い業種の企業をたくさん受験するのはもちろん一つの手段ですので、受験方針を決めるのは早めの時期であることをお勧めします。
  2. もともと公務員試験を視野に入れていたのに、対策が遅かったことです。対策を早めに講じておけば、公務員枠の中でも受けられる選択肢が増えます。

 

>まとめ

就活は何か月も続く場合が多いので、時によってはしんどく感じると思いますが、健康を第一に気を付けて頑張ってください。特に長引く・結果が出るのが遅くなるという場合は、周りを見て思いつめないよう、息抜きも大切にされてください。行き詰まったと感じたときは、周囲の仲間や先生に相談してみると新たな発見が得られるかもしれません。