昼下がりの仮装パーティー

 人文学部大講義室で一年生200人以上が受講するオムニバスの授業があります。梅雨の晴れ間のとある月曜日、ゼミの先生の甘い誘いに乗って、6階にある私たちの研究室の片隅に置かれていた段ボールの中から、どこか懐かしいおばあちゃん家のような、妙なにおいがするエチオピアの民族衣装を引っ張り出し、仮装してみました。

アムハラの民族衣装

アムハラの民族衣装

オロモの民族衣装

オロモの民族衣装

 先生によると、写真の白い服がアムハラ民族、写真の赤い服がオロモ民族の伝統的な民族衣装とのことです。白のショールは「ナタラ」というそうで、両端にきれいな刺繍がされています。研究室には服以外にもアフリカンな楽器やお面や裸族の木彫が転がっています。どの衣装も日本にはない鮮やかな色が用いられており、褐色の肌は持ち合わせていませんが、エチオピア人に変身した気分でした。

アムハラのショール

アムハラのショール

民具など

民具など

 衣装を身にまとい、人文学部棟の大講義室前にスタンバイしていましたが、登場するタイミングを失ってしまい、暑い中、強い風に吹かれて10分ほどT.M.Revolutionの曲を聞いていました。先生の合図でいざ登場すると、受講生200人の好奇の目に晒されました。人文学部ならではの異国情緒あふれる授業展開に、受講生たちもザワザワ。その妙な空気に堪え、衣装の説明が終わるとすぐさま大講義室を後にしました。

人文学部東屋にて

人文学部東屋にて

 初めはみんなあまり乗り気ではありませんでしたが、実際に衣装を着て人前に出てみると次第に楽しくなっている自分たちに気づきました。恥ずかしいと思っていることも、開き直るとすごく楽しいことのように感じてしまうあの感覚です…。そこで私たちはそのまま人文学部棟の中庭に向かいました。中庭は緑が多く、中央に「東屋」もあるので学部生憩いの場となっています。ちなみに東屋はいつも忘れ物が多く、その日は、飲みかけの2リットルのペットボトルが置かれていました。連日30度を超える暑さですから、熱中症対策として水分補給は不可欠ですね。

人文東屋にて

人文東屋にて

 夏の日差しが照りつける中庭は、エチオピアの衣装と相性抜群でした。中庭で写真を撮って遊んでいると、いつもと違う光景に通りすがりの人文学部生に何度も二度見されてしまいました。しかし200人の目線に耐えた私たちにはもう恐れるものは何もありません。異空間にいる錯覚を覚えるひとときでした。

人文中庭にて

人文中庭にて

 このように人文学部は、研究室ごとに異なる色彩を垣間見ることができる空間であり、とても楽しいと思います。ぜひ一度遊びに来てみてください~!

(特派員T)