高橋征仁教授が日本顔学会大会(フォーラム顔学2023)において、原島賞を受賞されました

人文学部社会学コースの高橋征仁教授が、2023年10月14~15日につくば市で開催された日本顔学会大会(フォーラム顔学2023)において、原島賞を受賞されました。日本顔学会は、「美容・化粧・眼鏡」や「歯学」、「心理学」、「工学系」、「医学系」などの研究者から成る従来の枠組みを超えた新しいネットワークです(1995年設立、会員数約660名)。高橋教授の発表「女性の配偶戦略と男性平均顔の脱男性化との関連についての検討」は、顔学構築にインパクトを齎す期待の研究として、原島賞に選定されました。
高橋教授は、これまで適応論的観点から説明されてきた男性平均顔の時代変化(眉弓の低下、顎の小型化、色白、女性化など)について、自己家畜化論の観点から、女性の配偶戦略の影響が大きいのではないかとする仮説を立てました。そして、この仮説を検討するために、美男子コンテストのBEST30候補者について時代別平均顔(図1)を作成し、それらを並び替えたうえで、各平均顔の印象評価や魅力度を調べるアンケート調査(N=1,150)を実施しました。その結果、①平均顔に対する印象評価は個人差が小さく、おおよその時代変化を識別できていること(図2)、②男性の予測とは異なって、女性の好みは、最新顔のやさしいD顔に集中していること(図3)、③結婚相手に身体的・経済的能力を求めていない女性がD顔を魅力的と感じる傾向があること(図表略)、を明らかにしました。
今回の受賞について高橋教授は、「卒論研究で学生と取り組んできた課題が、尊敬する先生に認められて大変うれしい。顔の時代変化の研究はまだ始まったばかりなので、家に祖父母の卒業アルバムなどがあれば、ぜひ研究に協力してほしい」と述べています。
なお、この研究内容の詳細については、2024年1月16日(火)20:00~21:30に開催される第53回顔学オンラインサロン「イケメンを科学する」でご報告される予定とのことです(学会員以外も参加自由https://www2.jface.jp/salon/php/salon_entry/index.php)。