人文学部で学んだこと(第11回):欧米言語文学コース(英語学分野)3年生Lさん

在学生の視点から、人文学部で学べることをインタビュー形式で紹介してもらうコーナーの第11回目です。

今回は、欧米言語文学コース(英語学分野)3年生のLさん(島根県出身)です。


  • 山口大学人文学部に入るまで

――山口大学の人文学部を受験することに決めたのは、どういったことからですか?

高校生の時から英語が好きで、大学では英語をもっと専門的に学びたいと思いました。長期留学がしたいという思いがあったので、最初は国際総合科学部を受験しようと思っていました。しかし国際総合科学部は文理融合の学部で、理系科目が苦手だった私は、デザイン科学など、理系的要素のある授業を受けることに抵抗感を抱きました。そこで人文学部のことを知り、英語の文構造やアクセントなど、英語そのものに焦点を置いている人文学部の方が、自分がやりたいことに近いと思い、人文学部を受験しました。

  • 人文学部で学んだこと

――なるほど。人文学部に入学後、特に学んだことについて、何が面白かったですか。また、それによって自分はどう変わりましたか?何か覚えていることを教えてもらえれば。

1、2年生のころはまだ自分の専門を定めずに、人文学部にある5つのコースの入門科目を自由に受講することができます。私は1年次から欧米言語文学コースに入ろうと決めていたのですが、2年次に受講した哲学の授業が印象に残っています。その授業では、人間は独自のキャラクターを持っており、舞台ミュージカル、テレビ、漫画は、現実にいる人間を描いているわけではなく、自分が理想とするキャラクターが描かれていることがある。その理想に自分を重ね合わせているから、舞台ミュージカルや漫画は幅広い人に支持されているという内容でした。私は現在欧米言語文学コースで英語学を専攻しており、この哲学の授業で学んだ内容が自分の専攻内容に影響を与えていると感じることはあまりありませんが、テレビを見ているときに自分がテレビに出演している人に対してどのような感情を抱いてみているのかを考えるなど、日常生活の中で当たり前にあるものや感情に、疑問や興味を抱いて着目するようになりました。

このような好奇心は、自分の専攻を勉強するうえで、もしかしたら役立つかもしれません。自分の専攻以外の授業から得た視点が化学反応を起こし、専攻の学習に役立つこともあります。自分の専攻以外のことを学べる点は、人文学部ならではだと思います。

  • 卒業後の進路

――そうですね。人文学部では、ある程度希望する専攻コースがある場合でも、他のコースの授業を受けて決めていくことができますし、希望するコースにそのまま進んだとしても受けてきた他コースの授業を活かすことができますからね。幅広い視野を持てる学部だと思います。ちなみに卒業後考えている進路を教えてもらってもいいですか?

私は3年生の時に、オーストラリアに約1年間交換留学へ行きました。オーストラリアに住んでいる人たちのほとんどは日本に対していい印象を持ち、日本製品や料理などを好んでいました。その時初めて日本という国は世界中の多くの人から愛されていることを知り、日本人として生まれたことを誇りに思いました。この経験から、日本の製品や技術を海外に伝え、その良さを理解してもらえるような仕事に就きたいと思うようになり、今は海外営業ができるようなメーカーに興味があります。

  • 高校生に向けて

――いいですね。留学経験が将来の進路につながっているというのは、こちらとしてもとても嬉しいことです。最後に、山口大学の人文学部を志望している高校生に向けてメッセージをお願いします。

高校の3年間はあっという間に過ぎますが、大学の4年間も同じようにあっという間に過ぎ去ります。大学は高校と比べて、自分が自由に過ごせる時間が多く、たくさんの選択を自分の意志で行います。つまり、自分の生活は自分にかかっており、充実した大学生活が送れるかどうかは自分次第です。自分が大学に入って何がしたいのかを、ぼんやりとでもいいので考えてみてください。たとえそれが大学に入って変わったとしても構いません。時間は限られていますが、自分とよく向き合い、家族や先生とよく相談して、受験校を決めてください。そして、2次試験が来るまで自分の最善を尽くし、後悔がないようにしてください。

皆さんが受験する大学が山口大学人文学部であればいいなと思っています。ささやかながら、皆さんが希望の大学に合格できることを願っています。


第11回目は以上です。Lさん、ありがとうございました。

今後も人文学部の在学生たちから、「人文学部ではこういうことが学べるよ」といったことを紹介していってもらう予定です。