学部長室
人文学は英語では“Humanities”、つまり、人間について研究する学問です。人はどのように生きてきたのか、今の世界を人はどう生きているのか、そしてこれからどのように生きるべきかという人間の本質に関わる問いを追求し、学ぶのが人文学部です。
人が紡いできた言語・文字や文学、思想や文化、社会、歴史の中にその本質はあり、それを明らかにするための視点・方法の学びを人文学の学問領域から得ることができます。
山口大学人文学部は哲学・歴史学・社会学・言語学・文学という5コース20分野に及ぶ専門分野があり、人間について学ぶ多様な「扉」をみなさんに提供しています。1~2年生の間は、授業や読書を通して、まずはいろいろな「扉」から中をのぞいてみてください。人間について幅広い発見が得られると思います。3年次から、自分の興味にあう「扉」を開けて、ゼミの部屋に入ります。関心を共有する仲間や教員との議論や交流を通して、専門性を深め、自らの卒業論文に結実していくことができるでしょう。
テクノロジーの発達により、社会は豊かになり、私たちの生活は便利になりました。一方で、技術の専門性や複雑性の高まりによって、先の見えない予測が困難な課題も生み出されています。人文学の視点や学問的方法は、このように正解のない、しかし重要な問題を批判的・客観的にとらえ、自分で考え、判断し、行動するために最も大切なものです。
さらに、人文学的な知は、現代を共に生きる他者と問題を共有し、協力して解決を目指す「良き市民」にとって最も必要であるといえるでしょう。山口大学人文学部は、そういった人々が育つ場となるよう日々邁進しています。学生の皆さんにとって、ここでの学びが価値あるものとなるよう、願っております。