やまぐち学推進プロジェクトについて

やまぐち学推進プロジェクトは、10年くらい前に人文学部の外部評価をうけたさいに、委員のお一人から、「地元山口のことを研究するやまぐち学をやってみたらどうか」とのアドバイスをいただいたのが最初のきっかけとなった。本格的な発足は、平成16年に山口大学研究推進体の募集があり、これに応募して学長から研究推進体の一つとして認定されたことにある。第Ⅰフェーズの研究推進体の一つとして5年間活動し、『やまぐち学の構築』第1号から第5号を発刊した。メンバーは、人文学部教員を中心に、教育学部・経済学部・埋蔵文化財資料館教員にもまたがっており、文系部局の研究連携の試金石ともなっている。

平成21年10月に第Ⅱフェーズの研究推進体の募集があり、これにも応募し、学長から認定をうけた。この年からやまぐち学シンポジウムを毎年開催することとし、第1回を平成22年3月22日に「萩藩研究の新展開」という共通テーマのもと、3人の報告と討論を行い、盛会であった(人文学部共催、山口市教育委員会後援、於山口大学会館)。第2回は平成23年3月19日に「考古学から見た山口県の文化交流」と題して、3名の研究発表と討論を行い、盛会であった(人文学部共催、山口市教育委員会後援)。本年度は、第3回やまぐち学シンポジウムとして12月に、「大内氏の文化事業」(仮題)の共通テーマのもと、研究発表と討論を行う予定である。

『やまぐち学の構築』は、そのご第6号・第7号を発行し、収載論文の多くは、YUNOCA(山口大学学術機関レポジトリ)でも公開している。最新刊第7号の内容は、以下の通りである。

田中誠二「幕末期萩藩財政史研究序説」

同   「萩藩後期の山代紙」

木部和昭「平郡島における舸子役と漁業権」

中野美智子「林勇蔵家の歴代履歴と累積文書について」

森下 徹「明暦二年萩藩江戸上屋敷普請関係史料」

真木隆行「近世氷上山境内の広域差図とその細部構成」

中村友博「山口県内における山陰系刻目突帯紋土器」