人文学部で学んだこと(第9回):日本・中国言語文学コース(日本文学分野)3年生Iさん

在学生の視点から、人文学部で学べることをインタビュー形式で紹介してもらうコーナーの第9回目です。

今回は、日本・中国言語文学コース(日本文学分野)3年生のIさん(長崎県出身)です。

 


  • 山口大学人文学部に入るまで

――山口大学の人文学部を受験することに決めたのは、どういったことからですか?

私が山口大学を受験した主な理由は2つあります。

私が人文学部を志望した第1の理由は、将来高校の国語科教員になりたかったからです。センター試験が終わり志望校を決める際、はじめは地元の大学の教育学部を志望していました。しかし、当時お世話になっていた国語科の先生から「お前が本当にやりたい勉強は〝教育学〟なのか〝文学〟なのか、しっかり見極めなさい」と言われた事がきっかけで山口大学人文学部への進学を決めました。

また高校の時に、親が読んでいた三島由紀夫の『金閣寺』を貸してもらい自分で読んだところ、「何が何だかさっぱり分からん」という印象を受けました。しかしながら、もっともっとこの作品を理解できるようになりたいと思い『金閣寺』を読み込んだり、他の本も読んでみたりした経験も今となっては遠因になっていたのかもしれません。

  • 人文学部で学んだこと

――なるほど。人文学部に入学後、特に学んだことについて、何が面白かったですか。また、それによって自分はどう変わりましたか?何か覚えていることを教えてもらえれば。

私は日本文学を専攻していますが、中学高校にかけて国語の授業自体はあまり好きではありませんでした。しかし大学の授業を受けて、(至極当たり前な事ではあるのですが…)古文や近代文学の勉強はこんなに楽しかったのかと感動しました。一つの物語について、様々な資料を検討し自らの意見・主張を練り上げていく。中学高校の授業では味わう事の出来ない勉強の楽しさに心奪われました。

また山口大学人文学部の特色として、コースに関わらず様々な分野の授業がとれるので自分が知らなかった世界が開けたと思います。特に美学の授業には大きな影響を受けたと思います。人は何故、ある作品に対して心を動かされるのか。こういった問いや、それに対する先人たちの解釈は、文学を学ぶ上でも非常に重要な鍵になっていると思います。

  • 卒業後の進路

――高校までそれほど好きではなかったことが、専門的知識に触れることで楽しさや面白さの元になったというのはいいですね。教員やっている側としてもすごく励みになります。ちなみに卒業後の進路を教えてもらってもいいですか?

先ほど志望動機でも述べましたが、高校の国語科教員を目指しています。古典・現代文に関係なく批判的な思考で作品を読むことは重要だと思います。人文学部で学んだ、様々な資料や研究成果を検討しつつ作品を読み深めていく事は校種を越えて繋がっていると感じています。

  • 高校生に向けて

――「批判的な思考」で対象に向き合うというのは、どの学問をするうえでも重要になりますよね。知的好奇心を刺激される国語の授業が受けられそうで、生徒さんも楽しいだろうなと感じました。最後に、山口大学の人文学部を志望している高校生に向けてメッセージをお願いします。

日々の勉強に追われ極度のストレスを感じているという方もいらっしゃるかもしれませんが、今一度「何故、大学受験をするのか」という事を考えてみてください。それは決して大学に受かる為ではなく、「自分がやりたい事を叶える」為のものだと思います。山口大学人文学部では、思う存分に好きな分野にのめり込んで勉強をする事が出来ます。いろいろと大変かとは思いますが、人文学にのめり込みたい!という方は是非山口大学人文学部にお越しください。


第9回目は以上です。Iさん、ありがとうございました。Iさんもそうですが、人文学部で専門的に学んだことを、教師として生徒に伝えていきたいという学生さんも結構いらっしゃるんですね。

今後も人文学部の在学生たちから、「人文学部ではこういうことが学べるよ」といったことを紹介していってもらう予定です。