2024/06/17
本年3月に刊行された、人文学部および大学院人文科学研究科教員、尾崎千佳准教授による著書『西山宗因の研究』を、ご紹介いたします。書誌情報ならびに目次は、下記の通りです。あわせて、今回の刊行にあたり執筆された、著者ご自身による内容紹介のコラム「〈言葉〉と〈行為〉のあいだ ―西山宗因の〈心〉を探る―」へのリンクを、貼付させていただきます。ぜひご覧ください。なお本書の刊行は、山口大学人文学部出版助成事業による助成を受けたものであることを、申し添えます。
【著者による内容紹介コラム】
〈言葉〉と〈行為〉のあいだ ―西山宗因の〈心〉を探る―(尾崎千佳)
【書誌情報】
出版社:八木書店
出版年月日:2024年3月28日
判型・ページ数:A5判・704ページ
ISBN:978-4-8406-9773-6
定価:本体12,000円+税
【目次】
はじめに
第一部 俳諧師宗因の虚と実
第一章 晩年の宗因—宗因伝記研究をめぐる覚書—
「宗因連歌回帰説」の起源/素外編『梅翁宗因発句集』をめぐる諸問題/素外随筆『玉池雑藻』所収の宗因書簡/晩年の宗因に見る二面性
第二章 宗因顕彰とその時代
宗因俳諧発句集編纂の時代/大坂檀林の宗因称揚—『むかし口』前後—/江戸談林の宗因顕彰—『梅翁宗因発句集』前後—/宗因顕彰の方法/近代的伝記研究の必要性
第三章 宗因における出家とその意味
宗因出家をめぐる諸問題/法雲「西翁隠士為僧序」の虚実/号をめぐる諸問題/西国体験の情報伝播/連歌師宗因の俳諧
第四章 宗因と伊勢続貂
「宗因と伊勢」再考/外宮御師との初期交流/宇治大火と『伊勢正直集』/伊勢下向時における交流の諸相/旗印としての「守武流」/伊勢俳壇との接触と距離
第五章 連歌師宗因の俳諧点業
宗因褒詞の虚実/「俳諧師宗因」像の語られ方/宗因の点業/連歌師の俳業、その功罪
第二部 連歌師宗因の実と虚
第一章 『肥後道記』の典拠と主題
宗因自筆本の発見とその顛末/諸本と本文の二系統/趣向としての『土佐日記』/主題としての『源氏物語』/紀行の作者と読者
第二章 陸奥行脚とその紀行
奥州紀行自筆諸本をめぐる諸問題/諸本と本文の二系統/いまの「翁」の東下り/東下りの変奏
第三章 大坂城代青山宗俊との交渉
宗因の大坂移住とその意義/大坂城代と宗因/寛文—延宝の大坂城代下屋敷/大坂文化の復興と西山宗因
第四章 『明石山庄記』と『明石千句』
『明石山庄記』の自筆本二種/『明石山庄記』の表現と主題/成立年記の齟齬の意味/『明石浦人丸社千句』の成立
第五章 主従の連歌から職業としての連歌へ—近世武家社会における連歌の情理—
宗因の転身をめぐる諸問題/肥後加藤家の政事と文事/下津棒庵と京の町衆/宗因の連歌修行と新在家の文化/加藤家における宗因連歌の位置/茶事と連歌の牢人生活/述志と取次の連歌/述懐の連歌と主従の情誼/職業連歌師の義理と自由/連歌師宗因の行動と表現
第三部 西山宗因年譜考証
おわりに