カテリーナ オリハ

人文学部人文学科 欧米言語文学コース 英文学 カテリーナ オリハ Kateryna Olha

文学作品を読み、異文化を知り、視野を広げましょう。

分野 比較文化、比較文学、日本近代文学
担当授業
(学部)
英会話Ⅰ
英会話Ⅰ
英会話Ⅱ
英作文
比較文化概説
担当授業
(研究科)
比較文化論
比較文化論演習(文芸)
比較文化論演習(異文化理解)

主な研究内容

過去に日本近代文学、具体的にいうと大正・昭和の幻想文学を研究してきましたが、現在は主に翻訳研究を行っています。文学を読むことで、その国の人の習慣と考え方、歴史、宗教等について学べます。翻訳のプロセスの中で、翻訳者は異文化を紹介するために最もいい方法を工夫した結果、原文と訳文の間に差が生じる場合がよくあります。(例えば、太宰治の『斜陽』(Donald Keene訳)では白足袋がwhite glovesになり、地下足袋がsneakersに変わった例が有名です。)私の研究の中心部は、このような差で見えてくる文化の比較研究です。他には、英米文学と日本文学、比較文学にも関心があり、その研究も行っています。

授業では「文化」概念について、そしてアメリカやヨーロッパの国々の具体例を通して、文学作品の土台となる「見える文化」と「見えない文化」について教えます。一年生の授業から大学院の授業にかけて、文学作品、文学批評の論文、比較文化のエッセイ等を講読し、解釈や討論をします。講読や演習を英語で行いますので、英米国の文化と文学に深い関心を持っている方はもちろんですが、英語の表現力を高めたい人も、広い意味で異文化に興味がある方もWelcome!

学問のことなど

大学の時の専門は日本語と日本文学でした。教科書を使って日本について学びましたので、初めて留学にきたときかなりのカルチャーショックを受けました。そのとき、日本人の考え方と心について私の知識は不十分だと強く感じました。全体的に大失敗だったその経験は、しかし、世界の文化はそんなに多様で不思議で、他の文化に所属する人はそんなに知り得ないのだと私に教えてくれました。

大学を卒業してしばらくウクライナの大学で日本語、日本文化、日本文学を教えて、山口大学に進学しました。大学院に入って幻想文学について博士論文を書きました。子供の時から文学を読むことが大好きだった私は大学院のとき初めて「文学作品の読みには正解がない」と知り、ゼミで先生と他の院生に自分の読みを説明したり他人の読みについて聞いたりしたときこそ、文学の楽しさを味わっただけではなく、自分の世界も広げました。しかし、文学の読みに正解がないと同時に、視野の広さと理解の深さは人によって異なるとも分かって、歴史と哲学の勉強に取り組みました。

授業では様々な文化について学び、文学作品を読み、視野を広げましょう。そして、文化の見えない層にある価値観、人の考え方、自己と他者の関係などをさらに深いレベルで考え直し、世界に心を開いた人になりましょう!

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