村田 裕一

人文学部人文学科 歴史学コース 考古学 村田 裕一 MURATA Hirokazu

考古学では,土の中から出てきたモノから,いにしえの人びとの生活を描き出します。

分野 日本考古学
担当授業
(学部)
考古学概説
考古学入門(先史)
考古学特殊講義(先史)
考古学実習(遺物調査)
考古学基礎演習(先史)
考古学発展演習(先史)
考古学卒論基礎演習(先史)
考古学卒論発展演習(先史)
担当授業
(研究科)
先史考古論(遺物・遺構)
先史考古論演習(遺物)
先史考古論演習(遺構)

主な研究内容

私は,弥生時代の石器・鉄器・青銅器・ガラス製品といった考古遺物を対象とした研究をおこなっています。技術発達史を軸に,生産と流通といった経済史的側面から,弥生社会の形成過程を解明することを目指しています。

学生は,授業の中で考古遺物=「モノ」と対話する方法を学びます。対話の手法は,古典的な方法から最新の科学技術を使った方法まで多種多様です。しかしどのような方法を使うにしても,基本となるのは,対象をよく観察することでその本質を見極め,これを論理的に意味づけることです。私の授業では,講義・演習・実習を通してこの基本的方法を学んでゆきます。素材として,私が研究対象としている石器・金属器・ガラスといった考古遺物を中心に取り扱います

学問のことなど

私が大学で考古学を専攻するようになった2年生の夏休みに,はじめて発掘調査に参加しました。調査では,竹べらとハケが活躍すると思いがちですが,実際にそれらが登場するのは,最終の段階で,それまではとにかく大小のスコップやガリと呼ばれる草取りの道具で土を掘ります。それは,肉体労働以外の何ものでもなく,暑いさなか,汗だくになりながらの作業です。けれどもそのうちに,いろいろなモノが土の中から現れて,スコップのような大きな道具では掘れなくなってきます。だんだんと作業は繊細になり,使う道具も小さくなっていきます。
また,発掘調査では,ただモノを掘り出すだけではなく,それが出てきた状況について詳細な記録を作ります。記録の主役は実測で,これは,モノが出てきた状態を,モノサシで測って方眼紙に正確に写し取り,図面に仕上げる作業です。炎天下では,方眼紙が光って見づらく,汗で用紙を汚してしまいがちなので,美しく仕上げるのは一苦労です。
このように,困難の多い発掘調査ですが,ひとつの場所を掘り上げ,図面も完成させたときの達成感は,その大変さ故にひとしおです。大発見はなくても,小さな発見と感動の積み重ねがあります。そのような体験を繰り返すなかで,私は真剣に考古学を志すようになりました。

さらに詳しく知りたい方へ