安本 真弓

人文学部人文学科 日本・中国言語文学コース 日本語学 安本 真弓 Yasumoto Mayumi

日本語の歴史や言葉の変化の仕組みを明らかにする方法を知り、身近な日本語の疑問を解明しましょう。

分野 日本語学
担当授業
(学部)
日本語学概説(古代語)
日本語史
日本語学特殊講義(古代語)
日本語学基礎講読(古代語)
日本語学発展講読(古代語)
日本語学演習(古代語)
日本語学卒論基礎演習
日本語学卒論発展演習
担当授業
(研究科)
日本語論(古代語)
日本語論演習(古代語研究)
日本語論演習(古代語文献講読)

主な研究内容

古代日本語には、「あさし」と「あす」、「かなし」と「かなしがる」、「なほし」と「なほす」、「ふるし」と「ふる」のような現代日本語では見られない形容詞と動詞の対があります。私は、このような形容詞と動詞の対が現代語よりも古代語で多く見られる理由を各品詞の性質を追究したり、現代語と比較することで解明しようとしています。このことで、古代語用言の文法的特質と現代語につながる変遷を明らかにすることが現在の研究テーマです。

学問のことなど

私は、言語変化のあり様を明らかにすることに興味をもって研究しています。そのきっかけは、高校生の作文指導をしていた際に、その感情表現が非常に類似していることに気がついたことが始まりです。「嬉しかった」「面白かった」「悲しかった」「苦しかった」「辛かった」、このような表現で現代の高校生の自己の感情は述べられています。しかし、古典作品を見ますと、「辛い」「苦しい」というマイナスの感情だけでも、「あいなし」「あへなし」「うし」「こころうし」「ものうし」「わびし」「わりなし」など、多くの表現が見られます。人間の感情のあり方は、おそらく古代人も現代人もそれほど差がないと考えられますが、その単語の種類に違いが見られるのはなぜでしょうか、このような疑問が私の中に生じてきました。そこで、修士論文では感情を表す形容詞と動詞の古代語のあり方について研究し、博士論文ではそれをさらに発展させ、形容詞と動詞全般の歴史を明らかにしようと取り組みました。この研究をさらに進めたいと思い、現在に至っています。
言葉は必ず変化するものであり、そこには何らかの法則性が見られる場合があります。また、その法則から外れる例外が見られる場合も、その例外理由を説明することができる場合があります。言葉にも科学的な側面があるのです。皆さんも、日本語の歴史や言葉の変化の仕組みを明らかにする方法を知り、身近な日本語の疑問を言語変化という側面から解明してみませんか。授業では、日頃何気なく使っている日本語の奥深さを、ことばの歴史や変化という側面から、学生と一緒に考えていくことを目標として行っています。

さらに詳しく知りたい方へ