栗原 剛

人文学部人文学科 哲学コース 東洋思想史 栗原 剛 KURIHARA Go

日本に生きてきた人々の、心の歴史をたどりたい。

分野 日本倫理思想史
担当授業
(学部)
哲学概論
東洋思想史概論(日本近世)
東洋思想史特殊講義(日本近世)
東洋思想史講読(日本近世)
東洋思想史演習(日本近世)
東洋思想史卒論基礎演習(日本近世)
東洋思想史卒論発展演習(日本近世)
担当授業
(研究科)
日本思想論(近世)
日本思想論演習(近世・学問)
日本思想論演習(近世・文芸)

主な研究内容

私たちは高校までの日本史や倫理の授業で、この日本に生きてきた人々の、かけがえない足跡や思いなしを学びます。しかし、先人のナマの言葉に向き合う機会は、多くありません。古文や漢文の教材がその一端ではありますが、それはいつも、古い言葉の読み方を習うために、切り取られた断片なのです。日本倫理思想史は、日本に生きてきた人々が何を信じ、何を願い、何を考えたのかを、彼らの言葉にじっくり寄り添う努力の中で、明らかにしようとする学問です。その中でも私は、江戸時代の思想を専門としています。武士や町人たちの豊かな言葉や思索の中に、いま日本に生きている私自身の願いや問いの意味をも見きわめるべく、研究を続けています。

学問のことなど

大学に入ったころの私は、学問とは何かという問いはおろか、自分自身が将来どう生きていきたいのかという問いにさえ、満足な答えを見つけられずにいました。ただ漠然と、日本や東アジアの思想文化に興味を持っていた私は、江戸時代の儒学者や国学者の著作を、参加者全員で読みすすめる授業(山口大学で言う「講読」「演習」)に参加したのですが、今から思えばそれが、自分の道を決めるきっかけとなりました。読み慣れない古文や漢文との格闘には苦労しましたが、一見古びた彼らの思想がいかに奥深く、また自分自身のかかえる悩みや問いにも響き合う、みずみずしいものであるかを、垣間見てしまったのです。同時に、彼らの思想の深みや魅力を、さまざまな角度から掘り起こしてきた研究者たちや、そこにつらなる先生方の、真摯な学びにも触れることが出来ました。結局私は、それらを一つの感動として胸に収めきれず、自分自身も同じ道に分け入ることになったわけです。学問とは何か。自分とは何か。その問いには、今なお答えが出ません。ただそれを問うこと自体が、自分の道なのだとは感じています。数年という限られた時間ですが、ものを深く読み考えるという経験を、学生の皆さんと共有できたら幸いです。

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