横田 蔵人

人文学部人文学科 哲学コース 西洋哲学 横田 蔵人 YOKOTA Kurato

人間にとって生きるとは善を問いつつ生きること

分野 西洋倫理学、中世哲学、キリスト教思想
担当授業
(学部)
哲学概論
西洋哲学概論(倫理学)
西洋哲学特殊講義(倫理学)
西洋哲学講読(倫理学)
西洋哲学演習(倫理学)
西洋哲学卒論基礎演習(倫理学)
西洋哲学卒論発展演習(倫理学)
担当授業
(研究科)
西洋哲学思想論(倫理学)
西洋哲学思想論演習(倫理学の歴史)
西洋哲学思想論演習(倫理学の理論)

主な研究内容

倫理学とは人間の行為や性格の善悪を考える学問です。「善」の旧字体「譱」は、神に捧げる生け贄の「羊」を挟んで二人の人間の「言」が対立する形 をあらわしています。人間はだれでも幸せを求めており、また、正義や公正を求める良心の声を聞いています。けれども、この二つの関係が衝突したと き、私たちはどうしたらよいのでしょう。ある人の考える善悪と、ほかの人の考える善悪がぶつかったらどうしたらよいのでしょう。教育や子育て、働 く現場で善悪を実現するためには、どのような原理や原則にもとづけばよいのでしょう。生殖医療や安楽死、妊娠中絶、環境問題や自然保護のように科 学技術の進歩とともに生まれた新しい問題に対処するためには、どうしたらよいのでしょう。倫理学は、人間が生きているかぎりありとあらゆる場面に 登場する善悪の問題を考える学問です。ともに考え、迷える羊を助け出しましょう。

学問のことなど

大学院時代から、西洋中世の「スコラ哲学」と呼ばれる哲学を主な研究対象にしており、特に、中世の哲学が作り出した思想の枠組みが、近代や現代の 哲学・思想をどのように形作っていったのかに関心をもっています。幸せを求める人間の本性と、正義を求める人間の倫理とがうまく調和すると考えて いた思想家たちと、両者は厳しく対立するのだと考えていた思想家たちの論争過程を追いかけています。もともとは近代や現代の哲学・倫理学を研究し ようと思っていたのですが、根元に遡って行ったらなぜか中世にたどり着いてしまいました。中世の哲学者は基本的にキリスト教の神学者なのですが、 実際に行われていた哲学の営みは、きわめて厳密で曖昧さのないものです。熱い信仰とめちゃくちゃクールな理性という不思議な取り合わせが中世の思 想の魅力です。大学の授業では、学生のみなさん関心を受け止めつつ、幅広く倫理学全体について教え、また学生のみなさんと共に学んでいます。

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