伊藤 裕水

人文学部人文学科 哲学コース 中国思想史 伊藤 裕水

「周人以仁接民,而天下莫不仁,故曰大矣。」––「言文王仁,故謂之大矣。」

伊藤 裕水

分野 中国思想史
担当授業
(学部)
東洋思想史概論(中国)
東洋思想史特殊講義(中国)
東洋思想史講読(中国古代)
東洋思想史講読(中国中世)
東洋思想史講読(中国近世)
東洋思想史講読(中国近代)
東洋思想史演習(中国)
東洋思想史卒論基礎演習(中国)
東洋思想史卒論発展演習(中国)
担当授業
(研究科)
中国哲学思想論
中国哲学思想論演習(古代中世)
中国哲学思想論演習(近世)

主な研究内容

中国の思想史の中心に位置するのは,孔子に始まる儒教・儒学であり,儒教・儒学には「経書」という聖人の教えを説いたとする書物があります。その聖人の教えを説いた「経書」をいかに解釈するか,ということを通じて,中国思想は展開していきます。わたしは,古い時代の儒教・儒学が,経書を中心としてどのように解釈されてきたのかということを,とくにその注釈のかたちの面に注目して勉強をしています。その注釈を通じて,中国の古代の人々がどのように物事を捉えていたことを,探索していきたいと考えています。

学問のことなど

中国思想史を学ぶために基礎としてもっとも必要となるのは,漢文の読解です。学生のみなさんからすれば,漢文を読む作業は多大なる苦労を伴うかと思いますが,高校までに漢文に触れてきたはずで,まったく新しいことに挑むわけではない点,とっつきやすいかもしれません。その漢文は中国語の古文で書かれた文章ですが,その漢文を構成する漢字は,一つの漢字に極めて多くの意味が含まれ,その中でどの意味を選択するかで文章の意味が変わってきます。上に「いかに解釈するか,ということを通じて,中国思想は展開していきます。」と記しましたが,その理由もそこにあります。そもそもわれわれは,「外国で書かれた」しかも「古文の」文章を読まないといけないという「二重苦」にさらされることになります。そのような漢文をいかに「精確」に読むのかということが重要になりますが,そのために辞書をなんども引き,本をなんどもめくって引用や出典を確認し,「正しそう」な読みを確定していくという作業が必要となります。わたし自身も,いつまで経っても漢文が読めるようにならない,といつも嘆いています。しかし,改めて以前の自分の読解を見ると,着実に進歩していることがわかります。授業などを通じて,一緒に漢文をよむ練習を通じ,一歩づつ着実に漢文の読む力をつけていきながら,古代の世界を垣間見ていきましょう。

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