高橋 征仁

人文学部人文学科 社会学コース 社会心理学 高橋 征仁 TAKAHASHI Masahito

思い込みを捨てて、自分の目や耳で生きた社会を観察してみよう。

分野 教育社会学・社会心理学
担当授業
(学部)
社会心理学概論
社会心理学特殊講義(コミュニケーション)
社会心理学講読
社会心理学調査実習(企画と実施)
社会心理学調査実習(分析と報告)
社会心理学基礎演習(コミュニケーション論)
社会心理学発展演習(コミュニケーション論)
社会心理学卒論基礎演習(コミュニケーション論)
社会心理学卒論発展演習(コミュニケーション論)
担当授業
(研究科)
現代コミュニケーション論(道徳性)
現代コミュニケーション論(ネットワーク)
現代社会分析論演習(コミュニケーション研究)
現代社会分析論演習(道徳性研究)

主な研究内容

私の専門は、道徳的社会化論です。青少年が社会的経験を通じて、規範(~すべき、~が正しい)をどのように理解・運用していくのかを研究しています。もっとも、マスコミや行政で繰り返されているように、「近頃の青少年は規範意識が希薄でけしからん」などと主張するつもりは全くありません。むしろ、時代の変化や発達的変化によって生じている規範意識のギャップを冷静に捉え、そのメカニズムを明らかにしていくことが私の研究課題です。人間社会の規範は重層的かつ複合的に構成されており、個々人は社会的相互作用を通じて、その一部を大きく書き換えながら、自己と社会の関係を組み立てなおしているのです。

学問のことなど

ー複数の眼と複数の心、そして多元的近代化ー
もっと素直に人の言うことを聞きなさい―親や教師にそう言われたことのある人は少なくないだろう。もちろん、私もその一人である。素直になれない自分を欠陥品のように感じたこともある。しかし、断言してもいい。他人に素直に従わないのは、ヒトの卓越した能力の一つであると。もしヒトが従順な存在なら、文化はコピーの繰り返しで劣化し、社会は活力を失うことになるだろう。ところがヒトは、1歳前からイヤイヤをはじめ、高校生にもなればもう立派な革命家のように世界と対峙できる。そうした抵抗を通じて、ヒトは自発性だけでなく、モノゴトを様々な角度から多面的に捉える眼や心―マルチ・フレーム―を培っていると考えられる。ヒトの成長には、そんなややこしいカラクリが隠されている。社会問題やリスクを探知する心も、決して一つではなく、複数のモジュールから成り立っている。あるモジュールからみると大した問題ではないことが、別のモジュールでみると非常に深刻な問題であることに気づいたりする。もちろん、その逆もある。人々は、そうしたマルチ・フレームを通じて社会を観察し、議論し、改善しようとしている。このように考えると、近代化という社会の変化も、様々なレベルでの「革命」によって、多元的に織りなされてきたことがわかる。

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