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G 尾崎 千佳

  • 2017-04-07 (Fri)
  • 【ゼミ】

春うらら 花の下連歌

尾崎ゼミ4年の井手釆可子です。桜もすっかり咲いて暖かく過ごしやすい頃合いとなりました。

4月7日に山口大学内の広場にて学生有志による立ち寄り連歌会を行いました。屋外で桜を見ながら連歌を詠む「花の下連歌」です。

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前日は雨風が激しく開催が危ぶまれましたが、当日は昼頃から晴天となり気候・景況ともに恵まれた会となりました。私たちの他にも花見をかねて食事をしたり遊んだりする方々がみえ、こちらにも歓声が聞こえてくる和やかな雰囲気でした。

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連歌会は11時半から17時まで行い、午後からは農学部の方や先生方、先輩も立ち寄って句を付けていかれました。同時に差し入れのお菓子もどんどん増えていき、お土産の紙風船で遊ぶ場面も…

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春の陽気な空気のもと、茂みの雀にはしゃぐかと思えば、句の展開について頭を突き合わせて話し合ったり、一斉にお菓子を食べ始めたりと気楽に楽しく進みました。

また、句が採用されたらお菓子を食べてよいという縛りをもうけるなど、以前の立ち寄り連歌になかった新たな工夫も見え、5時間で9句進みました。

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詠む回数を重ねたことでルールの習熟度が高まっており、前回と比べて句の要素がバランスよく多岐にわたる連歌となりました。

ルールに縛られることから、ルールを利用して連歌を充実させていく段階に入りつつあると自分たちの成長を噛みしめる機会となりました。

これからも学生なりの切り口で連歌を楽しみつつ上達を目指していこうと思います。

  • 2016-12-26 (Mon)
  • 【ゼミ】

連歌イェイ主催 第1回立ち寄り連歌会を開催しました

平成28年12月16日(金)、山口大学人文学部棟1階ラウンジにて、学生連歌会『連歌イェイ』主催の立ち寄り連歌会を開催しました。主催者のひとり、尾崎ゼミ3年の三浦明子さんにリポートしていただきます。

 

『連歌イェイ』は、「座の文芸」と呼ばれる連歌を通じて、自分を表現する面白さや、人と繋がる楽しさを知ってもらうことを目的に発足した、学生主体の連歌グループです。
山口大学の学部生、院生を中心に、現在22名が在籍しています。普段は無料コミュニケーションアプリ「LINE」を利用して、句を付けたり、ルールを勉強したりしています。

自分の詠んだ句に、思いもよらない句が付いて展開していく――そんな連歌の魅力を、より多くの方に知っていただきたいとの思いから、今回、立ち寄り形式の連歌会を企画しました。

学部や所属、連歌経験の有無を問わず、どなたでも、ふらりと立ち寄って、句をひねっていただく。
さらに、詠まれた句はご自身で「短冊」に書き、思い思いにデコレーションしていただく。
そういった試みのイベントです。
連歌イエイ5
当日はみぞれ混じりの雪という悪天候でしたが、最終的に30名近い方々がご参加くださいました。
5時間半に及んだ開催時間中、詠み手は途絶えることがなく、時には真剣に、時にはおしゃべりに花を咲かせながら、和やかな雰囲気で進んでいきました。
連歌イエイ3
1句に対して、同時に8句もの付句が提出された場面もあり、投票によって採用句が決まるという、熱い闘いも繰り広げられました。
また、複数の人がアイデアを出し合って「合作」という形で1句にするという、イベントならではの光景も見られました。

消しゴムはんこ作家としても活動するメンバーの協力を得て、消しゴムはんこを押したり(中には、消しゴムはんこを「彫る」ところから挑戦する方もいたり)、
絵を描くなどして、各々の短冊を自由に飾りました。
連歌イエイ4
当初の予想を上回る盛況ぶりで、終了1時間前には、あらかじめLINEで詠まれていた27句と、今回のイベントで詠まれた9句を合わせた計36句で、歌仙連歌が完成しました。
そのため、以降の時間は新たに発句から始め、時間の許す限り続けました。結果として、こちらは全6句の連歌となりました。

これらの句のすべてのデコ短冊は、順に並べて1冊の冊子にまとめ、視覚的にも楽しい“カタチあるもの”として残すことができました。
平成29年1月には、会の様子と合わせて、人文学部棟1階ラウンジにて写真展示を行う予定にしています。
連歌イエイ1
今回のイベントでは、これまで面識のなかった人同士が連歌を通して交流を深め、仲良くなれたことが、何よりも嬉しいことでした。
連歌イエイ2
初めて挑戦する人にも楽しんでもらえるよう、ごく基本的なルールのみで行った今回の試みでしたが、将来的には、より連歌というものの本質に迫った表現を目指して、
皆で勉強していきたいと思っています。

  • 2016-07-05 (Tue)
  • 【ゼミ】

ルネッサながとで近松文楽

7月3日(日)、尾崎ゼミ+αの有志15名で、ルネッサながとで近松文楽を鑑賞しました。

ルネッサながと

近松門左右衛門生誕の地の伝説をもつ長門市のルネッサながとで、近松作品が上演されるのは 今年で4回目。尾崎ゼミでは毎年見学に訪れています。

今回の演目は、『心中天網島』北新地河庄の段。惚れた男のしあわせを願って身を引こうとする 遊女小春のいじらしさ、弟を思い家族を守ろうとする孫右衛門の男らしさに対して、 主人公紙屋治兵衛はひたすら器が小さく情けない男として描かれています。

近松文楽人形

桐竹勘十郎さんや竹本千歳太夫さんの至芸で、治兵衛のダメ男ぶりが際立っていました。

近松文楽

小春はこんな治兵衛のいったいどこに惚れたのでしょう。作品を読み返して考えてみたいと思います。

  • 2010-07-11 (Sun)
  • 【ゼミ】

人文学とマッサージ(文:尾崎千佳)

 人ごとにストレス解消の方法はさまざまだろうが、わたしの場合、マッサージにしくはない。というのも、先天的な腰椎異常と、つい前傾姿勢をとってしまう悪癖のために、肩凝りと腰痛には常に悩まされているからである。書き物がかさんでバキバキに痛む体をひきずって、山口市内の某マッサージ店に駆け込んだある夜のことである。いい具合にうつぶせになって肩腰を揉んで貰っているとき、さっきまで「お客さま」とわたしを呼んでいた施術者の若い女性が、「尾崎先生は肩凝りのほうですか」と、ぽろりと言った。驚いてやおら飛び起き、どうしてわたしが〈先生〉だと知っているのか問い詰めたところ、何と、わが山口大学人文学部の卒業生だと言うではないか。違う学科の所属だったので、わたしの授業は受けた経験がないと言う。こちらは彼女の顔を知らないが、向こうは受付の段階からわたしのことを認識していたというわけである。恐ろしい話である。狼狽を隠すついでに専攻まで聞き出したところ、日本中世史で卒論を書いたという話を聞かせてくれ、それからの小半時、中世史に思いを馳せながら体を揉まれるという不思議な体験をした。

 唐突に話題は変わるが、当今の学生のみなさんは、誰しも、就職をいちばんの関心事としていることだろう。そして、人文学部の学生はとりわけ不利な戦いを強いられてもいるだろう。それはあながち時勢のせいばかりでもなく、わたしが文学部の学生であった15年前でも、同じ学部の学友の誰にも、就職活動を有利に展開している者などいなかった。しかしながら、今の人文学部生のみなさんをことさら気の毒に思うのは、職業というものが極端に重視されている昨今の風潮のゆえである。もちろん、わたしの学生時代でも、大人たちは、〈将来何になりたいか?〉という問いをしばしば投げかけてきはしたが、それに答える若者の大言壮語もモラトリアムも、今よりはずいぶん許容されていたように思う。

 〈将来何になりたいか?〉という問いは、〈高校の先生〉とか〈自動車会社の営業〉とかいった答えを、つまり将来就きたい職種について答えることを、無言のうちに要請している。〈正義の味方〉とか〈かわいいお婆ちゃん〉などと答えては、嘲笑されるに決まっている。だが、10代20代の頃から自分の職業を心に思い定めてひたすらそれに向かって生きる生き方は、果たして自然なことなのだろうか。それはほんとうに強くまっとうな生き方と言えるのか。先生にもさまざまな先生があり、営業にもさまざまな営業があるのであって、職業の選択は生き方の選択と同義ではないはずである。

 人文学部の学問は、ほとんどの場合、それを修めた結果が職業に直結してはいない。もちろん、講読や演習で養われたリサーチやプレゼンテーションの能力は、社会に出たとき必ずや役に立つとわたしは信じているが、世の中が発する〈将来何になりたいか?〉という問いの前では、それが技術的な問題に過ぎないこともまた事実である。けれども、〈将来何になりたいか?〉という問いを、職業とは別のコードで答え得る精神を培うのは、人文学の効用のひとつだろう。上司や世間の言うなりになるのではなく、目の前の現象の奥に潜む本質を見抜き、自ら答えを探り当てて行動できるのがほんとうの社会人であるなら、人文学部で学んだ皆さんには、他のどの学部で学んだ誰よりも、社会のあらゆる場で活躍できる力が身についているはずである。

 マッサージの彼女が、どういう理由と動機でその道に進んだのかはわからない。卒論は中世史で書いたという話を聞き、それがマッサージとはまったく無縁の世界であることは承知しつつ、そのとき、〈なぜマッサージの世界に進んだの?〉という問いは、頭にまったく浮かばなかった。身びいきの感想かも知れないが、この人はなるほど人文学を修めた人なのだろうなと妙に納得させられるような、丁寧で濃やかな仕事をしてくれた。
日本の、また世界の、驚くべき場所で、たくさんの人文学部の卒業生と出会う日を夢想しつつ、就活中の学生たちに心からエールを送りたい。

(次回は富平先生です。)

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尾崎 千佳

文学のことばとこころで自分のなかの袋をいっぱいにしよう。

【コース】

日本・中国言語文学コース

【分野】

日本文学

【研究領域】

日本中世文学、日本近世文学、連歌俳諧史の研究

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