Home 研究の今

研究の今

  • 2015-04-16 (Thu)
  •  【文学会】

文学会志第65巻(平成27年3月)を発行しました

『山口大學文學會志』 第65巻を平成27年3月16日付けで発行しました。

目次

日本における聖諭宣講の受容…………………阿部泰記

秦上林苑における構造とその性格についての研究―秦簡禁苑律による新視点からの探索― …………………馬彪

周防国氷上山興隆寺の旧境内とその堂舎配置…………………真木隆行

沖縄県における原発事故避難者と支援ネットワークの研究2~定住者・近地避難者との比較調査…………………高橋征仁

市民活動団体の現状と市民活動支援の制度化に関する考察―山口県周南市を事例として―…………………速水聖子

列挙・例示の書き表し方について…………………林伸一

長崎県対馬市士富採集の打製石斧…………………川島尚宗

本号掲載の論文も、YUNOCA(山口大学学術機関リポジトリ)で、近日中にインターネット公開の予定です。

  • 2015-03-07 (Sat)
  •  【研究推進室】

山口大学研究推進体公開シンポジウム「大規模災害の教訓をどう生かすのか?」の開催

今年は、阪神・淡路大震災からちょうど20年目の節目にあたります。1月には各地でメモリアルイベントが行われ、大災害の経験と教訓を忘れることなく、地域や世代に伝え続けていくことの大切さが唱えられました。しかしながら、災害の経験や教訓を伝え続けることは容易ではありません。東日本大震災にしても、2万人近い人が亡くなり、今なお20万人以上の人々が避難生活を送っているにもかかわらず、この4年間で意識の風化が急速に進んでいます。しかし、経験から学び伝えなければ、私たちは、また近い将来、同じ失敗を繰り返すことになるかもしれません。
この公開シンポジウムでは、4名の先生を講師としてお迎えして、過去の大規模災害からの教訓とその生かし方について、これまでの事例をもとにお話いただきます。そして、次の大規模災害に対する備えや支援のあり方について、地域住民を交えて議論したいと考えています。

日 時 :2015年3月9日(月)13:00~16:40
場 所 :山口大学吉田キャンパス 人文学部小講義室(入場無料)
主 催 :山口大学研究推進体<東日本大震災における避難者のリスク意識と社会的ネットワークに関する比較研究>
共 催 :山口大学人文学部、山口地域社会学会

プログラム:
(13:00~14:30)
開会の挨拶
1.災害情報と対応行動―大規模災害からの教訓
田中 淳 先生(東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター教授・同センター長)
2.中山間地における豪雨時の人の避難行動について
橋本 晴行 先生(九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター教授)

【休憩 10分】

(14:40~16:00)
3.従前地域へ戻ること・地域再生の難しさ-阪神・淡路大震災と東日本大震災の被災地から-
宮定 章 先生(認定NPO法人 まち・コミュニケーション代表理事)
4.2014年チリ北部地震(M8.2)による津波避難のアンケート調査について
村上ひとみ先生(山口大学工学部)

【休憩 10分】

(16:10~16:40)
5.全体討論:大規模災害の教訓をどう生かすのか?
閉会の挨拶

—————————————————————-
問い合わせ先:山口大学人文学部 高橋征仁
TEL  :083-933-5243
E-mail:takahasi@yamaguchi-u.ac.jp
—————————————————————-

  • 2015-03-07 (Sat)
  •  【研究推進室】

国際シンポジウム「高尚文学と通俗文学」 ~文化的横断・メディア的横断の視点からの再検討〜  研究発表会と公開講演の開催

国際シンポジウム「高尚文学と通俗文学」
文化的横断・メディア的横断の視点からの再検討

emde150326-2

emde150326-1

<趣旨>
文学はどのように評価されるのか。作品や作家にたいする見方は時代や文化によって大きく変化し、文学は翻訳やアダプテーション、解釈や改作、言語や文化圏によってきわめて多様な姿を見せています。
本国際シンポジウムはこの変容のダイナミクスに迫り、ヨーロッパや日本など10カ国から集まった文学研究者が、文学評価の仕組みを様々な角度から議論していきます。文学は文化・言語・メディアや時代を超えた人間文化の表現形式であり、それは「グローバル」と言われる今の時代にこそ注目し再評価すべきものです。

研究発表会の使用言語は英語とドイツ語ですが、公開講演は日本語、あるいは日本語通訳付きで行います。ご関心のある方々のご参加をお待ちしております。

<全日程概要>
日 時 : 平成27年3月26日(木) 14:00 ~ 平成27年3月28日(土) 13:00
場 所 : 山口大学大学会館
対 象 : 市民、学生、教職員
事前申込: 不要
参加費 : 無料

<公開講演>
日 時 : 第1部:平成27年3月26日(木) 14:20~15:40
第2部:平成27年3月27日(金) 16:10~17:30
場 所 : 山口大学大学会館 大会議室(2階)
対 象 : 市民、学生、教職員
事前申込: 不要
参加費 : 無料

プログラム:
第1部 : 平成27年3月26日(木) 14:20~15:40
ドイツ・ボーフム大学 モニカ・シュミッツ=エマンス 教授
「規範的文学作品とそのグラフィック的再現 ・一般的考察と事例」
高尚文学の作品はいかにしてコミックスに生まれ変わるのか。スターンの『トリストラム・シャンディ』や、ロマン派で最初の推理小説といわれるホフマンの『スキュデリ嬢』がコミックスに変身する様が、豊富な視覚資料を用いて示される。講演は日本語通訳付きのドイツ語で行われます。

第2部 : 平成27年3月27日(金) 16:10~17:30
山口大学人文学部 平野 芳信 教授
「村上春樹 その評価をめぐって」
文学賞の候補者、村上春樹が芥川賞を逃した背景には、文学への評価をめぐるドラマが潜んでいる。

<全日程詳細>
国際シンポジウム「高尚文学と通俗文学」
文化的横断・メディア的横断の視点からの再検討

会場:山口大学大学会館(公開講演は大会議室・研究発表はセクション別)

平成27年3月26日(木)
13:30 – 14:00 受付
14:00 – 14:20 歓迎の挨拶
14:20 – 15:40 公開講演
「規範的文学作品とそのグラフィック的再現・一般的考察と事例」
モニカ・シュミッツ=エマンス教授(ドイツ・ボーフム大学)
15:40 – 16:00 ディスカッション
16:30 – 17:50 研究発表
第1セクション:大会議室
「詩作とモチーフにおける越境」
第2セクション:第2集会室
「民族アイデンティティーの表現形式」
第3セクション:セミナー室
「演劇における詩学と変容」

平成27年3月27日(金)
9:30 – 12:30 研究発表
第4セクション:大会議室
「翻訳に反映された高尚と通俗」
第5セクション:第2集会室
「文学と映画」
第6セクション:セミナー室
「グラフィック・ノヴェル」
14:00 – 15:50 研究発表
第7セクション:第2集会室
「教育と娯楽の間:教科書、推理小説、テレビ」
第8セクション:セミナー室
「映画化と規範的文学作品」
16:10 – 17:30 公開講演
「村上春樹 その評価をめぐって」
平野 芳信 教授(山口大学人文学部)
17:30 – 17:50 ディスカッション

平成27年3月28日(土)
9:00 – 10:50 研究発表
第9セクション:第2集会室
「文学的評価の詩学的考察」
第10セクション:セミナー室
「ジャンルの変更」
11:15 – 11:45 ディスカッション
11:50 – 12:50 狂言(日本伝統芸能)
12:50 – 13:00 閉会の辞

<カラーチラシ>
詳細はこちらのURLよりご確認ください。
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~emde/YamaguchiProgram_150223.pdf

<開催要項>
この記事の内容についてのMS-Wordファイルはこちらからダウンロード出来ます

【問い合わせ先】
人文学部ヨーロッパ言語・文学コース エムデ研究室
TEL:083-933-5287
E-mail: emde@yamaguchi-u.ac.jp

  • 2015-02-15 (Sun)
  •  【研究推進室】

教員著作刊行情報

日本語学・日本文学コース担当 平野芳信教授が寄稿した雑誌が刊行されました。

MetRO MiN. N0.143
メトロミニッツ10月号
2014年9月20日発行 第12巻9号通巻143号
スターツ出版株式会社発行

hirano1502s-470

↑ 上の画像は、掲載内容の一部です。画像のクリックで、 掲載内容全体のJPEGファイルの閲覧またはダウンロードが出来ます。

  • 2014-12-03 (Wed)
  •  【研究推進室】

第11回 古代武器研究会の開催

下記要領で,第11回 古代武器研究会を開催します。
どなたでも参加できます。
ふるってご参加ください。

      第11回 古代武器研究会

日 時 2014年12月13日(土)13:50~18:00
          14日(日) 9:00~15:00
会 場 山口大学大学会館〔吉田キャンパス〕
主 催 古代武器研究会・山口大学人文学部考古学研究室
参加費 無料(資料代実費)

〈連絡先〉
〒753-8540
山口市吉田 1677-1  山口大学人文学部 田中 晋作
TEL. 083-933-5238
E-mail s-tanaka@yamaguchi-u.ac.jp

詳しくは↓チラシPDFをご覧ください。
第11回古代武器研究会チラシ

  • 2014-11-11 (Tue)
  •  【異文化交流研究施設】

人文学部異文化交流研究施設第28回講演会のお知らせ

講演者:来村多加史氏(阪南大学国際観光学部教授)

演題:キトラ・高松塚壁画のメッセージを解く

日時:2014年11月18日(火)16:30~18:00

場所:山口大学共通教育棟23番教室

主催:山口大学人文学部異文化交流研究施設

※入場無料。事前申し込みも不要です。

山口大学の学生や教職員はもちろん、市民のみなさまのご参加もお待ちしています。

詳しい講演内容などは、ポスターをご参照ください。

crosscultural28

  • 2014-08-05 (Tue)
  •  【研究推進室】

教員著書刊行情報

歴史学コース担当 南雲泰輔講師が翻訳した図書が刊行されました。

ブライアン・ウォード=パーキンズ著/南雲泰輔訳
ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ 2014年6月

nagumo1408-470
ジャケットデザインにダイナミズムを感じるので見開きで掲載します。(↑)
帯付きだとこんな感じです。(↓)
nagumo1408-300

<書籍データ>
* 単行本: 350ページ
* 出版社: 白水社 (2014/6/20)
* 言語: 日本語
* ISBN: 9784560083543

<訳者からひとこと>
 このたび白水社より刊行された,ブライアン・ウォード=パーキンズ著『ローマ帝国の崩壊:文明が終わるということ』は,タイトルの示す通り,ローマ帝国の崩壊をひとつの文明の終焉とみて,歴史学・考古学の双方にわたって多様な史資料を活用しつつ叙述したものです。明快な筆致で,図版もたくさん含まれており,一般読者の方々にも面白く読んでいただける内容の書物であると思いますが,本書の特色は,私見では何よりも著者のスタンスが明示された「反論の書」だという点にあります。
 この「反論」が執筆されるに至った経緯をごく簡単に述べますと,1970年代以降,英米の歴史学界では,ピーター・ブラウンとウォルター・ゴッファートという二人の優れた研究者をそれぞれ主唱者として,ローマ衰亡とゲルマン民族の侵入について重要な見直しが提起されました。その結果,衰亡ではなく「変容」へ,侵入ではなく「順応」へと,学界の潮流が大きく変化したのです。これらの新学説は,20世紀後半の支配的思潮とも結び付いて広く江湖の喝采を博しましたが,21世紀に入ると,それらが主張する楽観的な時代理解に対して厳しい批判が生じてきます。そのなかの一冊として,新学説に正面からの反論を企てたのが本書であり,これ以後,学界での議論は新たな段階へ移行することになりました。つまり本書は,ローマ帝国の衰亡をめぐる近年の学界動向のなかで,重要な役割を果たした書物と評価できると考えられます。
 ローマ帝国の衰亡は,歴史上のさまざまな国家や文明の「崩壊」のなかでもとりわけ多くの人々の興味を引くもののようで,これまでに実にさまざまな学説が提示されてきました。しかし,ローマ衰亡にかんする学説展開の歴史のなかで,上に簡単に触れた1970年代以降の動向は,それ自体が検討に値するほどの,独特で興味深い経過を示しているように思われます。なぜ20世紀後半にローマ衰亡を「変容」と,ゲルマン侵入を「順応」と読み替える研究者が出現したのか。なぜ21世紀に入ってそれに対する反論がなされたのか。本書を繙くことで,ローマ帝国の衰亡にまつわる諸問題はもとより,それらを扱う歴史学や考古学の研究者たちの営み,さらにはその背後にある現代という時代の変化についても考えていただければと思っております。

<Amazonでの本書の紹介文>
ローマ帝国末期にゲルマン民族が侵入してきたとき、ローマ社会や経済に何が起き、人々の暮らしはどう変化したのか。史学・考古学双方の研究を駆使して描く、激動の時代の実態。

ギボン『ローマ帝国衰亡史』以来長らく、ローマ帝国は衰亡し崩壊したというのが常識だった。ところが一九七〇年代以降、研究者のあいだでは、それまで主流だった政治・経済面を中心とした研究に対し、宗教や社会に着眼することで、「衰亡」とみなされてきた時代を独自の価値を持つ「古代末期」という新しいポジティヴな時代と捉え直す動きが起こった。さらに九〇年代になると、考古学的史料を用いて、ローマ帝国はやはりある時点で「崩壊」したのだという事実をつきつける研究者があらわれた。
著者ウォード=パーキンズもそのひとりであり、本書では、何がどう問題なのかというレベルからわかりやすく解説しつつ、「ゲルマン民族が侵入してきたとき、経済や社会に何が起き、人びとの暮らしはどう変化したのか」を、文献史料や陶器・家畜の骨・建築物(の跡)などを使い、史学・考古学双方の研究を駆使して描き出している。ローマ帝国の洗練された生産・流通システムがひとたび崩壊してしまうと、地域によっては先史時代の水準にまで後退し、回復には数世紀を要したという事実は、かなり衝撃的である。
英国ペンクラブのヘッセル=ティルトマン歴史賞受賞。

▼原題 THE FALL OF ROME: AND THE END OF CIVILIZATION

  • 2014-08-05 (Tue)
  •  【研究推進室】

教員著書刊行情報

日本語学・日本文学コース担当 平野芳信教授の著書が中国語訳で刊行されました。

平野芳信著/陳系美訳
從蝸牛食堂到挪威的森林:解讀日本近現代文學中的飲食象徵 2014年7月

hirano1418-470
装丁が美しいのでジャケットを見開きで掲載します。(↑)
そしてジャケットの下の表紙は(↓)
hirano1418-300
モニタ上では分かりにくとは思いますが,ゴールドの階調表現となっており,ジャケットデザインとはまた一味違って美しいです。

<書籍データ>
* 単行本(ソフトカバー): 186ページ
* 出版社: 遠足文化(2014/07/02)
* 言語: 中国語(繁体字)
* ISBN: 9789865787400

<著者からひとこと>
 本書は昨年(2013年2月)に光文社新書として上梓した『食べる日本近現代文学史』の中国語訳です。今回初めて知ったのですが、中国語訳といっても繁体字と簡体字があるようです。詳しいことはよくわかりませんが、どうやら中華人民共和国(大陸)では主として簡体字を使用し、中華民国(台湾)では主に繁体字を使っているようです。
 拙著は中華民国の読書共和国グループに属する遠足文化という出版社から刊行されました。それゆえ、繁体字版です。繁体字というのは、基本的に我々が使っている漢字に近い書体(要するに画数の多い)ですので、出版社から送付されてきた現物を見るとかなり内容が読み取れます。
 なぜこんなことを記するのかというと、実は2011年に出版した『村上春樹 人と文学』が2012年に韓国語に翻訳された経験があるからです。
 この時、自身が書いたものが自分では読めない言語に変換されるという摩訶不思議な現象に遭遇しました。とにかく、かろうじて「平野芳信」という文字が読みとれるので自著だということが確認できたにすぎないのです。それはそれで極めて興味深いものですが、もう一方では、いささか心もとない体験でもありました。今回はその点では、かなりの程度判読(?)できますので、ストレスは多少とも軽減されているのです。

 まだこのホームページでも閲覧可能だと思いますが、先に日本語版(?)が出た際に、喜びと同時に晒されているという感覚にもとらわれていると書いたと思います。
 この感覚は、中国語版が出ることでより一層強くなっています。発売後、一月も経っていませんが、既にネット上には書評が出ているようです。私も恐る恐る見て(読めませんので)みましたが、批評子はネットで作者である私の写真をみたようで、なんだかそのことを枕にして書き始めていました。
 作者としては、書かれたものだけで判断してほしいと思うわけですが、これが致し方のない現実なのです。加えて、批評の詳細については一向に理解できません。まさに「晒されている」ということの最たるものだと思います。
 もし、同じような感覚を小説家たちも感じながら作品を発表していたとしたら、私のこれからの研究論文というものも、少し変わるかもしれません。なぜなら、研究論文というのが私の主戦場だからです。

  • 2014-06-11 (Wed)
  •  【研究推進室】

教員著書刊行情報

日本語学・日本文学コース担当 平野芳信教授が執筆にかかわった図書が刊行されました。

石原千秋 編
夏目漱石『こころ』をどう読むか 2014年5月

夏目漱石『こころ』をどう読むか

<書籍データ>
* 単行本(ソフトカバー): 228ページ
* 出版社: 河出書房新社(2014/5/30)
* 言語: 日本語
* ISBN: 9784309022895

<著者からひとこと>
 今年、2014年が夏目漱石の『こゝろ』が発表されてからちょうど100年目にあたり、現在、朝日新聞紙上に再連載されていることは、周知のことだと思います。
本書に収められた「最初の夫の死ぬ物語—『ノルウェイの森』から『こゝろ』に架ける橋—」は、1997年に「漱石研究」という雑誌に掲載された論文(エッセイ)です。それが、17年の時を経て、『こゝろ』のいわば誕生100周年目に、このような形で再録されたことを筆者としては素直に喜んでおります。
 実は、この論文(エッセイ)は自身の生涯の中で一期一会ともいうべき得難い経験をして書いたものなのです。最近、あるメーカーのTVCMで、「神が降りてきました。」というフレーズを聴いたことがありますが、まさに大天使聖ミカエル級の精霊のような存在に憑依されて執筆したと思わざるを得ないのです。
 それほど、この論文(エッセイ)は私にとっては手応えがあり、会心の出来映えであったと自負できるものです。
 たとえば、私(いや、降臨した精霊らしき存在)は最後をこう締めくくっています。

  「春樹」はいわば現代の「漱石」と化しつつあるのかもしれない。

 1997年段階での村上春樹といえば、前年に『ねじまき鳥クロニクル』によって第47回読売文学賞を受賞し、それまでの海外生活から本格的に日本へ拠点を戻そうとしていた時期にあたりますが、まだまだ現在の地位と名声からはかけ離れた位置にいたというべきでしょう。
 そんな時期の春樹を評して、精霊は私にとりついてよくもまあ「「漱石」と化しつつある」などと、いわしめたものです。これでは、まるで予言の書ではありませんか。

 思えば、この論文(エッセイ)を書いてから、久しく大天使級の精霊に憑かれての執筆は記憶にありません。
 願わくは、生涯にいま一度同じような体験を味わいたいものです。

<Amazonでの本書の紹介文>
 刊行100年。永遠の問題作は今いかに読まれうるのか。東浩紀、大澤真幸らのエッセイ、対談:奥泉光×いとうせいこうのほか、これまでの『こころ』論をベストセレクション。

【目次】
夏目漱石自筆広告文
『こころ』あらすじ

石原千秋「『こころ』はどう読まれてきたか」
対談 奥泉光/いとうせいこう「文芸漫談 夏目漱石『こころ』を読む」
東浩紀「少数派として生きること」
大澤真幸「喉に引っかかった魚の小骨のような疑問」
荻上チキ「見過ごされてきた門番」
高田里惠子「『こころ』の読者をどうつくりだすか」
文月悠光「『こころ』に眠るわたしたち」

対談 水村美苗/小森陽一「こころ 夏目漱石」
対談 丸谷才一/山崎正和「夏目漱石と明治の精神」

講演 柄谷行人「漱石の多様性:講演—-「こゝろ」をめぐって」
講演 吉本隆明「『こころ』」

北村薫「『こころ』を、読もうとしているあなたに」
夏目房之介「こころ」
荒川洋治「百年前の少年」

山崎正和「淋しい人間」
作田啓一「師弟のきずな—-夏目漱石『こゝろ』(1914年)」
石原千秋「眼差としての他者—-『こゝろ』」
小森陽一「『こころ』を生成する心臓[ハート]」
押野武志「静は果たして知っていたのか」
赤間亜生「〈未亡人〉という記号」
平野芳信「最初の夫の死ぬ物語—-『ノルウェイの森』から『心』に架ける橋」

石原千秋「『こころ』をこれからどう読むか」

  • 2014-04-09 (Wed)
  •  【異文化交流研究施設】

人文学部異文化交流研究施設第27回講演会のお知らせ

講演者:フランソワーズ・ラヴォカ氏
(パリ第3大学教授・フランス比較文学会会長)
演題:『グリム童話』と『ペロー童話』と『千一夜物語』におけるメモタルフォーゼ(変身)
(講演はフランス語で行われますが、日本語通訳がつきます)
日時:2014年4月18日(金)16:30~18:00
場所:山口大学人文学部 小講義室
主催:山口大学人文学部異文化交流研究施設
※入場無料。事前申し込みも不要です。

山口大学の学生や教職員はもちろん、市民のみなさまのご参加もお待ちしています。

詳しい講演内容などは、ポスターをご参照ください。

第27回異文化講演会(フランソワーズ・ラヴォカ氏)

Home 研究の今

人文学部 明日をつかもう!
ピックアップ研究室
宮原 一成研究室

宮原 一成  研究室

英語で書かれた物語から、違う人生を味わってみる。

人文学部 年間行事予定

ページの先頭へ